気象予報士試験の勉強で序盤は「温位」に苦しめられました。
ひさし社長温位は、高度の違う空気塊の温度を比べるためのモノサシみたいなものだゾ📏
以前に、暖かい空気は軽く、冷たい空気は重いと言ってしまいましたが、これは単純に温度を比べればいいわけではないんです。
高度の条件をそろえないと空気の温度を比較することができません。
条件をそろえて比較できるようにしたのが「温位」です。
温位とは
温位とは、ある高度の空気塊を乾燥断熱変化で1000hPa(標準気圧)まで移動させたときの温度を絶対温度で表したもの、です。
温位のポイントは、
・空気塊を1000hPaに下ろして計測した温度
・高度の移動は乾燥断熱変化で(100m降下するごとに温度が1℃上がる)
・℃を絶対温度(K)に変換する(℃+273=K)
ということですね。
例えば、地表付近の25℃の空気塊と高度1km20℃の空気塊はどちらが温位が高い(空気が軽い)かを比べます。
温位を知らないとそのまま気温を比べてしまい、地表の25℃の空気塊の方が気温が高く軽いと判断してしまいます。
でも、それは間違いです。


まず、高度1kmにある空気を地上まで下ろしてこなければなりません。
一般的に(乾燥した空気なら)100m降下すると1℃上昇するため、高度1kmの場所で20℃だった空気塊は地表近くで30℃まで気温が上昇します。
この時点でも空気塊を比較することができますが、温位は絶対温度で表示します。
普段使っている摂氏(℃)に273を足せば絶対温度になります。
地上の空気塊 : 25+273=298K
高度1kmの空気塊 : 30+273=303K
※単位Kは、「ケルビン」と読むぞ。
高度1kmにあった空気塊の方が温位が高く軽いことがわかりました。
温位の練習問題をやってみよう!
温位を求める練習をしてみましょう。
温位は高い方が暖かく軽いことに留意しましょう。


<解答>


高度順に上から下に温位が小さくなってましたね。
上が温位が高く、暖かくて軽いのでこの大気は「安定している」と言えます。
各高度での気温だけ見ても空気の暖かさや軽さはわからないんですね。
温位に水蒸気を考慮に入れた『相当温位』
空気塊の軽さは、暖かさ(温位)で判断できることを学びました。
ただ、実はここまでの温位の話では空気中の水蒸気のことを無視していました。
しかし、空気塊の軽さを判断するための材料に、空気の湿り具合も関係していることを忘れてはいけません。
湿り具合で軽さを判断すると、
湿潤な空気は軽く、乾燥した空気は重い。
つまり空気塊の中の水蒸気を考慮しないと本当の重い軽いは判断できません。



「温位」だけでは不十分なんだゾ。
そこで『相当温位』が必要になります。
相当温位 = 温位 + 水蒸気が凝結した時に放出される潜熱
相当温位は、温位に水蒸気の要素を加えた数値です。
気象の世界では、水蒸気はいわば「燃料」です。
空気に多く含まれていればいるだけ、空気塊の温度を上げるポテンシャルがあることになります。
相当温位は、空気塊の水蒸気がすべて熱を出したと仮定して放出された熱を温位に加えた値になります。
そして相当温位は温位と同じく、数字が大きいほど空気塊が軽くなります。



「空気塊が持っているポテンシャル」もこみで表すのが相当温位だゾ。
例えば、温位が同じ293K(ケルビン)の2つの空気塊があったとします。
一方の空気塊は水蒸気が含まれていて、もう一方は水蒸気が全くない乾燥した空気塊です。
この時どちらの方が相当温位が高いか?
それは、水蒸気が含まれている空気塊の方が相当温位が高く、軽いことになります。
水蒸気が含まれている方の空気塊は、含まれている水蒸気が凝結した時に放出する潜熱の分だけ相当温位の数字が高くなります。
天気図で多用されるのは相当温位
相当温位は、温度と水蒸気量を含んだ数値で大気の安定度を表現するのに最適な指標です。
気象では、その空気の性質を表現するためには、
・高いか低いか
・湿っているか乾燥しているか
この2つしか考えることがありません。



つまり相当温位がわかればその空気塊のことがよくわかるんだゾ。
天気が悪化するかどうかがわかるため、相当温位はさまざまな専門天気図に採用されています。


コメント