空港では毎日、たくさんの人が働いています。
パイロット、管制官、整備士、グランドハンドリング、客室乗務員、給油スタッフ、清掃員、機内食スタッフ――。
それぞれが別の仕事をしていても、みんな同じ空の安全を支えています。
そんな空港のどこかに、ふわふわと現れる不思議なソラモンがいます。
その名は――『ヒヤリハット』。
すみかを知らせると安全のいしずえに。ソラモン『ヒヤリハット』登場!

とんがり帽子をかぶった、小さなおばけソラモンです。
少し不気味で、少し冷たくて、でもどこか憎めない。
今回は、空の安全を陰から支える不思議なソラモン『ヒヤリハット』について紹介していきます。
ヒヤッとした瞬間から生まれるソラモン
ヒヤリハットは、事故そのものから生まれるわけではありません。
「ヒヤッ」とした瞬間。
「危なかった……」と思った瞬間。
そんな小さな出来事から、ふわりと現れるおばけソラモンです。
たとえば――
- エプロン車両がギリギリで止まった
- 工具を置き忘れそうになった
- 無線の聞き間違いをしそうになった
- 荷物がドアに引っかかりそうになった
大事故にはならなかった。
でも、あと少しで危なかった。
そんな時、気づくと頭にヒヤリハットがいると言われています。
帽子の口をギザギザに開きながら、こちらをじっと見ているのです。
ヒヤリハットは悪いソラモンではない
見た目だけを見ると、ヒヤリハットは少し怖そうです。
帽子には不気味な口。
冷気をまとった青い体。
ジト目でこちらを見つめる表情。
でも、ヒヤリハットは人を傷つけたいわけではありません。
むしろ逆です。
ヒヤリハットは、
「気づいてほしい」
「みんなに教えてほしい」
と思っているソラモンなのです。
だから、ヒヤリハットを見つけた時に、
「こんなことがあった」と勇気を出して報告すると、
ヒヤリハットは安心したように小さく震えます。
そして――
「ありがとう!」
と言いながら、甘いお菓子へと変わっていくのです。
残されたお菓子をみんなで食べるとご利益があるよ!
報告することが空の安全を守る
空港では、たった一つの小さなミスが大きな事故につながることがあります。
だからこそ大切なのが、
「事故になる前に気づくこと」。
そして、
「気づいたことを隠さず伝えること」
です。
ヒヤリハットは、その大切さを教えてくれるソラモンでもあります。
「怒られるかもしれない」
「自分のミスだと思われたくない」
そう考えて黙ってしまうと、
ヒヤリハットはどんどん増えていくと言われています。
しかし、勇気を出してみんなに共有すると、
同じ危険を防ぐことができます。
つまりヒヤリハットは、
事故を防ぐための“タネ”なのです。
空港のあちこちに現れる
ヒヤリハットは特別な場所だけに現れるわけではありません。
- 滑走路
- 誘導路
- 管制塔
- 整備場
- 貨物エリア
- 機内
- バックヤード
空港のあらゆる場所に現れます。
しかも、誰のそばにも現れる可能性があります。
ベテランだから大丈夫。
新人だから危ない。
そんなことは関係ありません。
ヒヤリハットは、
「人が働く場所」にそっと現れるソラモンなのです。
だからこそ、
空港で働く人たちはヒヤリハットを怖がるだけではなく、
“気づきを教えてくれる存在”として大切にしています。
手書きメモにも描かれるソラモン
ヒヤリハットには、もうひとつ面白い特徴があります。
それは――とても描きやすいこと。
三角の帽子。
ギザギザの口。
ジト目。
ふわっとしたしっぽ。
シンプルな形をしているため、
安全メモや会議資料の端っこに、
ササッと描かれることが多いのです。
「ここ、ヒヤッとした!」
「次は気をつけよう!」
そんなメモの横に、
小さなヒヤリハットが描かれていることもあります。
怖い注意喚起ではなく、
やさしく危険を共有する。
それも、ヒヤリハットらしい文化なのかもしれません。
みんなで安全をつくっていく
空の安全は、一人だけでは守れません。
誰かが気づき、
誰かが伝え、
みんなで共有する。
その積み重ねが、
飛行機を安全に空へ送り出しています。
ヒヤリハットは、
そんな「気づく勇気」と「伝える勇気」を教えてくれるソラモンです。
もし空港のどこかで、
冷たい風と一緒に小さなおばけを見かけたら――
それは、
あなたに大切な“気づき”を教えに来ているのかもしれません。
そんなときは大きな声で「いたぞぉぉぉ!!」と叫びましょう。

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