鳥の巣と聞くと、枝を集めて作る丸い巣を思い浮かべませんか?でも、鳥たちの巣は材料も作り方もさまざまです。泥を積んだり、土手にトンネルを掘ったり、葉っぱを縫い合わせたりする鳥もいます。
今回は、6種類の鳥の巣を「材料・場所・形」に注目して見ていきましょう。
ツバメ:泥とわらを積み上げる、おわんの巣
ツバメは、人家や商店、駅などの軒下に、泥やわらを使ったおわん形の巣を作ります。泥をくちばしで運び、壁に少しずつ積み重ねていきます。乾くと固まる泥は、巣を形づくる材料になります。
壁にくっついた巣は、おわんを半分にして貼りつけたような形。軒下で巣づくりをするため、私たちの暮らしのすぐそばで見かけることがあります。

シジュウカラ:木の穴に作る、ふかふかの巣
シジュウカラは、木の空洞や巣箱など、穴になった場所を巣づくりに使います。巣材にはコケや動物の毛などを使い、穴の中にふかふかの寝床を作ります。

巣箱をのぞくと、外からは見えない巣が中にできていることも。木の枝を集めて巣を建てるのではなく、すでにある穴を利用するのがシジュウカラの工夫です。ときにはひっくり返った植木鉢の中に巣をつくることもあります。

カワセミ:土手の中に掘る、横向きトンネル
カワセミは、川や池の近くの土手に穴を掘って巣を作ります。入口から奥へ横向きのトンネルが続き、いちばん奥に卵を産む場所があります。トンネルは50〜100センチほどになることもあります。
木の枝を集める代わりに、土の中を掘って通路を作るなんて、まるで地下の秘密基地!巣穴の入口は川面より少し高い場所にあります。

イラストでは穴の中が見やすいよう、大きく描いています。実際の入口は直径約7センチほどです。
ハクセキレイ:枯れ草や根で作る、小さなおわん
ハクセキレイは、地面のくぼみや川原の石の下、人家のすき間などに巣を作ります。材料は枯れ草、小枝、細い根など。巣はおわん形です。
木の枝の上とは限らず、低い場所のくぼみを使うこともあるんですね。身近な場所にも、鳥にとって都合のよいすき間があるのかもしれません。

イラストは植物の中に巣がある場面を描いたイメージです。実際の巣の場所には、地面のくぼみや石の下などがあります。
サイホウチョウ:葉っぱを縫って、巣を包む
サイホウチョウは、丈夫な葉っぱのふちに小さな穴をあけ、植物の繊維やクモの糸などを通して葉っぱを縫い合わせます。細長いくちばしが、針のような役目をするのです。
縫い合わせた葉っぱは、巣を包むポケットやかごのような形になります。その内側には、細い草などを集めて、卵を置くための巣を作ります。葉っぱを縫う巣づくりで知られるサイホウチョウは、アジアにすむ鳥です。

ハタオリドリの仲間:草を編んで、枝からつるす
ハタオリドリの仲間には、たくさんの種類がいます。ここでは、その一種のキムネコウヨウジャク(英名 Baya Weaver)を紹介します。この鳥は草やヤシの葉などを細長く裂いて、くちばしで編み込みます。できあがる巣は、枝からぶら下がる袋のような形です。
巣には下向きの出入口がつくこともあります。枝からゆらゆらぶら下がる姿は、自然のハンモックみたい。ハタオリドリの仲間は種類によって巣の形が異なりますが、草を編んだ巣はその名前のとおり「織物」のようです。

巣の形をくらべると、鳥の暮らしが見えてくる
ツバメは泥を積み、シジュウカラは木の穴を使います。カワセミは土手にトンネルを掘り、ハクセキレイは低いくぼみにおわん形の巣を作ります。サイホウチョウは葉っぱを縫い、キムネコウヨウジャクは草を編んで巣をつるします。
鳥の巣には、決まった形がひとつあるわけではありません。身近な材料を集めたり、穴やすき間を利用したりしながら、それぞれ違う方法で子育ての場所を作っているんですね。
巣を見つけたときは、近づいたり触ったりせず、遠くから静かに見守りましょう。

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