森の中で「コンコンコン!」と木をつつく音。音の主は、キツツキかもしれません。
キツツキは、木の中にいる虫を探して食べるだけでなく、木に穴を掘って巣をつくります。そして、使い終わった穴が、ほかの生き物のすみかになることも。キツツキは、自分の家をつくりながら、森に新しい住まいを用意する大工さんなのです。
木に穴を掘るための工夫
キツツキのくちばしは、木をつついて虫を探すのに役立ちます。幹をつつき、穴の中にいる虫を長い舌でとらえます。
巣穴づくりでは、木を何度もつついて、入り口から少しずつ掘り進めます。大きなキツツキは、太い木に深い穴をつくることもあります。
空き部屋には、別の住人がやってくる
キツツキが巣立ったあと、その穴を別の生き物が利用することがあります。鳥の中には、自分で穴を掘らず、すでにある木の穴を巣に使うものがいるからです。
自分では穴を掘らず、できあがった樹洞を利用する生き物は「二次樹洞営巣者」と呼ばれます。キツツキの巣穴は、そんな生き物たちにとって、森にある貴重な「空き部屋」になることがあります。
ただし、掘られた穴がすべて使われるわけではありません。穴の大きさや形、木の状態、周りの環境などが合ったときに、別の生き物のすみかとして利用されます。
森の暮らしを支える大工さん
生き物の活動によって、ほかの生き物が暮らす場所がつくられることがあります。キツツキが木に巣穴を掘るのも、その一例です。
自分の子育てのためにつくった穴が、別の生き物の住みかになる。キツツキは、森の環境をつくる「生態系エンジニア」と呼ばれることもあります。
森のマンションにたとえるなら、キツツキは部屋を掘ってつくる大工さん。あとから入る生き物たちは、その部屋を利用する住人です。森では、ひとつの巣穴が、思いがけず次の暮らしにつながっているのですね。
森で「空き部屋」を探してみよう
森や公園で、木の幹に丸い穴を見つけることがあります。ただし、穴を見ただけで、必ずキツツキが掘ったとは限りません。木が傷んでできた穴など、別の理由もあります。
「ここにはどんな住人がいるのかな?」と想像しながら、穴の大きさや木の様子を観察すると、森の見方が少し変わるかもしれません。巣穴を見つけても、のぞいたり、手を入れたりせず、そっと見守りましょう。
鳥検定対策・ここを覚えよう
- 樹洞(じゅどう):木の幹などにできた穴。
- 一次樹洞営巣者:自分で木に穴を掘って巣にする鳥。キツツキ類が代表例。
- 二次樹洞営巣者:自分では穴を掘らず、すでにある樹洞を利用する生き物。
- キツツキの巣穴は、ほかの生き物のすみかになることがある。ただし、すべての穴が利用されるわけではない。
ミニクイズ
Q. 自分では木に穴を掘らず、すでにある樹洞を利用する生き物を何と呼ぶ?
答え:二次樹洞営巣者。
キツツキなどがつくった穴を、あとから巣として利用する生き物のことです。

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