30年のスパンで見る平均気温

春から夏へ、そして夏から秋、秋から冬へと季節は移り変わります。大きな流れで見ると、寒い冬から夏にかけては気温が上がり、暑い夏から冬にかけては気温が下がっていきます。しかし、季節はまっすぐその方向へ進むわけではなく、冬に向けて寒さが増しているはずなのに突然暑い日が訪れたり、夏に向けて暖かくなってきたと思ったらまた寒い日が戻ったりと、三歩進んで二歩下がるように少しずつ変わっていきます。

私たちも一年という短い期間で季節の暑い日と寒い日を交互に感じていますが、30年間の長いデータを平均すると、その年ごとのばらつきがならされ、季節の大きな流れがよりはっきりと見えてくるように思いませんか。

気象庁のデータを調べてみるとおもしろい事実がわかってきます。

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日々の気温はガタガタを推移していく

まずは次のグラフを見てください。「2025年9月1日から9月30日までの日毎の平均気温のグラフ」です。

グラフがガタガタと上下していますね。気温が上下しながらも、冬を目指して大きなトレンドとしては右肩さがりに平均気温が下がっているのが見て取れます。私たちの感覚としても納得できるグラフですね。

では次に28年分の9月のそれぞれの日の気温を平均したグラフを見てみましょう。

28年分の数値を平均するとこのように9月1日から9月30日にかけてなめらかに気温が下がっていくのが見て取れます。なぜ28年分かというと羽田に残されているデータがこれしかなかったためです。

28年分の気温をならすと冬へ向けてここまできれいに下がっていくものかと驚きます。

こうなると1年分を見てみたくなったので、1993年から2020年までの日付毎の平均気温の推移をグラフにしてみました。

1月19日から1月30日の平均気温は等しく6.1℃で一年間でもっとも低い平均気温を記録しています。この期間を底にして夏に向けて気温は右肩上がりで上昇していきます。そして8月7日から8月10日の27.9℃を天井にして、今度は冬に向けて気温が右肩下がりに下降していきます。

興味深いのは前日と同じ気温の日はあるけど大きな流れと逆行する日が一日も無いことです。28年間で28回分の気温をならすとここまで滑らかなグラフを描けることに感動を覚えました。春夏秋冬の移り変わりはまるで小高い丘を昇り降りするかのようにゆるやかながら日々着実に進んでいることがわかります。

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この記事を書いた人

図書館で勝手に仕事をしている小さな会社のドケチ社長。口癖は「コーヒーの一滴は血の一滴」

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