「駒鳥」には馬、「連雀」には連なる姿。鳥の漢字を眺めていると、声や色、暮らしにつながる手掛かりが見つかります。第5回は、前回までと重ならない10問です。少し手ごわい字もありますが、初めて知る鳥との出会いを楽しんでください。
まずはオチュンの筆字を見て、名前を考えてみましょう。迷ったら「ヒントを見る」を、答えが気になったら「答えと解説を見る」を開いてください。鳥の絵と一緒に、思わず人に話したくなる特徴や名前の小話を添えました。
QUESTION 01 / 10
第1問 この鳥、なんでしょう?

鳥の名前なのに「馬」が登場!「駒鳥」はなんと読むでしょう?
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山の森で「ヒンカラカラカラ」と鳴く小鳥。頭から胸がオレンジ色です。
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正解:コマドリ

名前を覚えるヒント。「駒」は馬を表す字。コマドリの名前は、「ヒンカラカラ」と聞こえる声が馬のいななきに似ていることに由来します。小さな体なのに、声のイメージはお馬さん。名前を読むときに鳴き声まで思い浮かべれば、二文字がぐっと覚えやすくなります。
鳥の姿と暮らし。コマドリは、山地のよく茂った林や沢沿いで暮らす小鳥です。絵はオスで、オレンジ色の頭や胸が目印。やぶや地面の近くで昆虫などを探します。姿が見えなくても、力強いさえずりで存在に気付くことがあります。森の奥から大きな声がしたら、体の大きな鳥とは限りません。小さな歌手が、マイクなしの独唱会を開いているのかもしれませんね。
覚えるひとこと
駒鳥=コマドリ。馬のいななきを思わせる「ヒンカラカラ」。
QUESTION 02 / 10
第2問 この鳥、なんでしょう?

「番」に「鳥」を添えたようなこの字。水辺の鳥の名前です。
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名前は二文字。黒っぽい体に赤い額、くちばしの先は黄色。長い足の指も目立ちます。
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正解:バン

名前を覚えるヒント。「鷭」で「バン」。田んぼで見られることから、「田の番をする鳥」という意味で名前が付いたという説があります。田んぼを見回る小さな番人、と考えると、字の左側の「番」も忘れにくくなりそうです。
鳥の姿と暮らし。バンはクイナ科の鳥です。池や川、水田などの水辺で、植物の種子や昆虫などを食べます。赤い額からくちばしにつながる鮮やかな色と、黄色いくちばしの先が目印。絵の足にも注目してください。指が一本ずつ、とても長く伸びています。似た名前のオオバンは、額とくちばしが白い鳥です。水辺で出会ったら、まず顔の色を見てみましょう。
覚えるひとこと
鷭=バン。田んぼの番人という説。赤い額と黄色い嘴の先。
参考:漢字ペディア「鷭」 / 東京ズーネット「バン」
QUESTION 03 / 10
第3問 この鳥、なんでしょう?

「鵤」と書く、黄色い大きなくちばしの鳥はなんでしょう?
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「怒る」に似た音の名前ですが、いつも怒っているわけではありません。黒い頭と灰色の体をしています。
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正解:イカル(イカルガも正解)

名前を覚えるヒント。「鵤」は「イカル」。「イカルガ」という読みもあるので、こちらも正解です。「斑鳩」と書くこともありますが、ハトの仲間ではなくアトリ科。鳥の漢字には、名前から想像する仲間と、実際の分類が違うものもあるのですね。
鳥の姿と暮らし。イカルでまず目に飛び込むのは、太くて大きな黄色いくちばしです。固い種子を割って食べるときに活躍します。見た目は立派な工具のようですが、声は口笛のように澄んでいます。林や公園で「キキーコーキー」などと聞こえる声を頼りに探してみましょう。黒い頭、灰色の体、翼の白い部分も目印です。「大きなくちばし」と「きれいな声」の組み合わせで覚えると、印象に残りそうですね。
覚えるひとこと
鵤=イカル。黄色いくちばしは、種を割る道具のよう。
QUESTION 04 / 10
第4問 この鳥、なんでしょう?

「鶸」と書く小鳥は、なんでしょう?
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名前は二文字。黄色や黄緑色が印象的で、この鳥にちなむ色の名前もあります。
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正解:ヒワ(代表的な鳥はマヒワ)

名前を覚えるヒント。「鶸」は「ヒワ」と読み、ふつうはマヒワを指します。「真鶸」と書けば「マヒワ」です。羽の色は言葉の世界にも登場し、黄色みの強い黄緑色を「鶸色(ひわいろ)」といいます。色の見本にまでなっている小鳥。名前と色をいっしょに覚えると、図鑑以外の場所でも出会えるかもしれません。
鳥の姿と暮らし。絵はマヒワのオスです。黄色い体に黒い頭頂、翼や尾の黄色い部分が目立ちます。スズメより小さく、群れで木や草の種子を食べます。ハンノキなどの実にぶら下がり、逆さまに近い姿勢で食べることも。小さな実をつつく様子は、枝の上のアクロバットです。メスはオスより色が淡く、羽の印象も少し違います。
覚えるひとこと
鶸=ヒワ。真鶸=マヒワ。羽の黄緑色から「鶸色」。
参考:漢字ペディア「鶸」 / 漢字ペディア「鶸色」 / 小学館『デジタル大辞泉』ほか「鶸」(コトバンク) / サントリー 日本の鳥百科「マヒワ」 / 新潟県 愛鳥センター「マヒワ」
QUESTION 05 / 10
第5問 この鳥、なんでしょう?

「鶍」と書く、くちばしにびっくりする鳥はなんでしょう?
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上下のくちばしの先が左右に交差しています。松ぼっくりなどから種を取り出します。
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正解:イスカ

名前を覚えるヒント。「鶍」は「イスカ」。物事が食い違うことを表す「鶍の嘴(いすかのはし)」という言葉もあります。上下のくちばしがぴったり合わない姿から生まれた表現です。人間の会話では困る「食い違い」も、この鳥の食事には役立っています。
鳥の姿と暮らし。イスカのくちばしは、先が左右に交差しています。これは、けがで曲がってしまった姿ではありません。松ぼっくりなどの重なった部分をこじ開け、中の種子を食べるための特徴です。見た目は「かみ合っていない」のに、食べ物を取り出す仕事にはぴったり。絵は赤みのあるオスで、メスは黄緑色や緑褐色が中心です。針葉樹の実と、交差したくちばしをセットで覚えてみましょう。
覚えるひとこと
鶍=イスカ。交差した嘴で、松ぼっくりの種を取り出す。
参考:漢字ペディア「鶍」 / 漢字ペディア「鶍の嘴」 / 東京都公園協会「イスカ」 / 京都府「イスカ」
QUESTION 06 / 10
第6問 この鳥、なんでしょう?

二文字とも画数たっぷり。「鷦鷯」は、なんという小鳥でしょう?
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全身こげ茶色で、短い尾をぴんと立てます。小さな体から、大きくよく響く声が出ます。
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正解:ミソサザイ(音読みのショウリョウも正解)

名前を覚えるヒント。「鷦鷯」は「ミソサザイ」。音読みでは「ショウリョウ」ともいいます。「巧婦鳥」という別の書き方もあり、こちらは巣作りがたくみなことにちなむとされています。難しい字を全部書けなくても、まずは「この二文字は、あの小さな歌い手」と結び付けられれば十分です。
鳥の姿と暮らし。ミソサザイは全長約10.5センチ。日本で見られる鳥の中でも、とても小さな鳥の一つです。山の沢沿いの林などで暮らし、全身がこげ茶色なので、姿は見つけにくいかもしれません。ところが、さえずるときの声はよく響きます。小さな体に、大きなスピーカーが入っているよう。短い尾をぴんと立てる姿にも注目してください。
覚えるひとこと
鷦鷯=ミソサザイ。小さな茶色い体、立てた短い尾、大きな声。
参考:漢字ペディア「鷦鷯」 / 漢字ペディア「鷦」 / 漢字ペディア「巧婦鳥」 / サントリー 日本の鳥百科「ミソサザイ」
QUESTION 07 / 10
第7問 この鳥、なんでしょう?

「鶲」と書く鳥の仲間は、なんでしょう?
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キビ○○、ルリビ○○、ジョウビ○○。共通する名前を思い出してください。
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正解:ヒタキ(絵はキビタキ)

名前を覚えるヒント。「鶲」は「ヒタキ」。キビタキ、ルリビタキ、ジョウビタキなどの名前に登場する字です。絵の鳥は「黄鶲」と書くキビタキ。まずは名前の共通部分を見つけ、前に付く字と鳥の色にも目を向けると、ほかのヒタキの名前も読みたくなってきますね。
鳥の姿と暮らし。キビタキのオスは、黒・黄色・白の配色が鮮やかです。黄色い眉のような模様や、翼の白い部分も目立ちます。春に渡ってきて林で子育てをし、空中の昆虫などを捕まえます。メスはオスほど鮮やかではなく、落ち着いた色です。英名の「Narcissus Flycatcher」には「水仙」の名が使われています。黄色い花を思わせる鳥が、新緑の林で歌っていると想像すると、見つける楽しみが増えそうです。
覚えるひとこと
鶲=ヒタキ。黄鶲=キビタキ。絵のオスは黒・黄・白の配色。
QUESTION 08 / 10
第8問 この鳥、なんでしょう?

「連雀」と書く、頭に飾り羽のある鳥の仲間はなんでしょう?
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群れで木の実を食べる鳥。尾の先が黄色い種類と、赤い種類が日本にやってきます。
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正解:レンジャク(絵はキレンジャク)

名前を覚えるヒント。「連雀」は「レンジャク」。スズメのように連なってとまる姿が、名前に関係するという説があります。ずらりと並ぶ小鳥たちを思い浮かべると、「連」の字も覚えやすそうです。尾の先が黄色いものは「黄連雀」、赤いものは「緋連雀」と書きます。
鳥の姿と暮らし。絵はキレンジャクです。頭のとがった飾り羽と、目のあたりの黒い模様が目立ちます。日本には冬鳥としてやってきて、ナナカマドなどの木の実を群れで食べます。ただし、毎年同じ場所で同じように見られるとは限りません。木の実のレストランに、ある日そろって来店するお客さんのようです。似たヒレンジャクとの見分けでは、まず尾の先の黄色・赤色を確かめてみましょう。
覚えるひとこと
連雀=レンジャク。黄連雀は尾の先が黄、緋連雀は尾の先が赤。
参考:小学館『デジタル大辞泉』ほか「連雀」(コトバンク) / サントリー 日本の鳥百科「キレンジャク/ヒレンジャク」 / 北海道小清水町「キレンジャク」
QUESTION 09 / 10
第9問 この鳥、なんでしょう?

前回の「鸚鵡」に似ていますが、二文字目が違います。「鸚哥」は?
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セキセイ○○○、コザクラ○○○など。飼い鳥としても親しまれています。
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正解:インコ(絵はセキセイインコ)

名前を覚えるヒント。「鸚哥」は「インコ」です。前回の「鸚鵡」はオウムでしたが、今度は二文字目が「哥」になりました。「鸚」には「オウ」と「イン」の読みがあります。よく似た二つの名前を並べて眺めると、見分けるポイントがはっきりしますね。
鳥の姿と暮らし。絵はセキセイインコのオスです。黄色い顔、緑色の体、波のように重なる黒い模様、長い尾が特徴です。日本では飼い鳥としておなじみですが、もともとはオーストラリアの鳥。野生では群れで暮らし、草の種子などを食べます。飼育される間に、青、白、黄色など、さまざまな羽色の品種も生まれました。おうちで見慣れた鳥の向こうに、広いオーストラリアの空がつながっているのです。
覚えるひとこと
鸚哥=インコ、鸚鵡=オウム。二文字目に注目。
参考:漢字ペディア「鸚哥」 / 漢字ペディア「鸚」 / 須坂市動物園「セキセイインコ」 / 神戸市立王子動物園「セキセイインコ」
QUESTION 10 / 10
第10問 この鳥、なんでしょう?

最後は難問!三文字まとめて「善知鳥」。なんと読むでしょう?
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北の海で暮らす海鳥です。繁殖期には、くちばしの付け根に小さな角のような突起ができます。
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正解:ウトウ

名前を覚えるヒント。「善知鳥」は、三文字で「ウトウ」と読みます。同じ題名の能の演目もあり、昔から人の物語に登場してきた鳥です。初めて読めた人は、ちょっと得意になってよい難問。字だけで覚えにくければ、絵の「くちばしに小さな角」を思い浮かべてみましょう。
鳥の姿と暮らし。ウトウはウミスズメ科の海鳥で、海に潜って魚やイカなどを捕まえます。絵は繁殖期の姿。橙色のくちばしの付け根に突起ができ、目のまわりには白い飾り羽も伸びています。小さな角を付けたような顔ですが、暮らしの舞台は海。名前の難しさに驚いたあとで顔を見ても、もう一度「そんな姿なの?」と驚かせてくれる鳥です。
覚えるひとこと
善知鳥=ウトウ。繁殖期は嘴の付け根に角のような突起。
10問終わったら、答えを一覧で復習する
| 問 | 漢字 | 答え | 覚えるヒント |
|---|---|---|---|
| 1 | 駒鳥 | コマドリ | 駒鳥=コマドリ。馬のいななきを思わせる「ヒンカラカラ」。 |
| 2 | 鷭 | バン | 鷭=バン。田んぼの番人という説。赤い額と黄色い嘴の先。 |
| 3 | 鵤 | イカル(イカルガも正解) | 鵤=イカル。黄色いくちばしは、種を割る道具のよう。 |
| 4 | 鶸 | ヒワ(代表的な鳥はマヒワ) | 鶸=ヒワ。真鶸=マヒワ。羽の黄緑色から「鶸色」。 |
| 5 | 鶍 | イスカ | 鶍=イスカ。交差した嘴で、松ぼっくりの種を取り出す。 |
| 6 | 鷦鷯 | ミソサザイ(音読みのショウリョウも正解) | 鷦鷯=ミソサザイ。小さな茶色い体、立てた短い尾、大きな声。 |
| 7 | 鶲 | ヒタキ(絵はキビタキ) | 鶲=ヒタキ。黄鶲=キビタキ。絵のオスは黒・黄・白の配色。 |
| 8 | 連雀 | レンジャク(絵はキレンジャク) | 連雀=レンジャク。黄連雀は尾の先が黄、緋連雀は尾の先が赤。 |
| 9 | 鸚哥 | インコ(絵はセキセイインコ) | 鸚哥=インコ、鸚鵡=オウム。二文字目に注目。 |
| 10 | 善知鳥 | ウトウ | 善知鳥=ウトウ。繁殖期は嘴の付け根に角のような突起。 |
読めなかった字を一つ選び、鳥の絵を見ながらもう一度声に出してみましょう。次に図鑑で出会ったときには、漢字と姿がつながって見えるかもしれません。