B737の特徴と歴史 オチュンと楽しむ4つの世代

空港の展望デッキでオチュンがB737-800を眺める、水彩と色鉛筆風のイラスト。イラストを押すと拡大できます

空港で、翼の下にエンジンを2つ付けた、すらっとした飛行機を見かけたことはありませんか。

その一機は、B737(ボーイング737)かもしれません。旅行や帰省、出張の便で、名前を知らずに乗ったことがある人もいるでしょう。

B737は、都市と都市を結ぶ便を支える、身近な旅客機です。1967年の初飛行から約60年。同じ名前を受け継ぎながら、翼やエンジンを変えて進化してきました。

今回はオチュンと一緒に、空港で見つけるヒント、4つの世代の歴史、スペックと役割を見ていきます。型番を全部覚えなくても大丈夫。「あ、あの顔を知っている」と思えたら、空港の景色が少し変わります。

オチュン

最初はひとつ、目印を見つけるだけで大丈夫。今日はB737と顔なじみになりましょう!

目次

B737は都市と都市を結ぶ身近なジェット機

B737を造っているのは、アメリカの航空機メーカー、ボーイングです。翼の下にエンジンを1基ずつ、計2基備えた双発ジェット旅客機で、客室の通路は1本。一般的な普通席は、通路を挟んで「3席+3席」に並びます。

このような飛行機を「単通路機」や「ナローボディ機」と呼びます。初めて聞く言葉なら、まずは通路が1本の飛行機と覚えれば十分です。

オチュンがB737の普通席の並びを案内するイラスト。左3席、中央の通路1本、右3席の配置を、3列分描いている。
図1 通路を挟んで3席ずつ並ぶ、一般的な普通席のイメージ。機内の一部を取り出した図で、実際の座席配置は航空会社によって異なります。
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大型機と比べるとどんな役割なのか

たとえるなら、B737は空の世界で都市間をこまめに結ぶバスのような存在です。主な活躍の場は、国内線や近距離・中距離の国際線。大きな飛行機を満席にするほどの人数がいなくても、路線の需要に合った大きさで便を用意できます。

湾や島、海岸沿いの街の間を、小さく描かれたB737が点線の空路に沿って飛ぶ。手前では旅バッグを持ったオチュンが眺めている。
図2 街と街をつなぐB737の役割を描いたイメージ。地図と空路は架空のものです。
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同じ市場でよく比較されるのが、エアバスのA320ファミリーです。B737とA320は、どちらも通路が1本で、翼の下にエンジンが2つ。空港で似た姿の飛行機を見かけるのは、この仲間たちが日々の移動を支えているからです。

一方、B787やA350は通路が2本ある、より大きな旅客機の仲間です。大勢を運ぶ路線や長距離便などを担います。飛行機の大きさは強さの順位ではなく、乗る人数や行き先に合わせた役割の違いと考えるとわかりやすいですね。

B737も型式や仕様によって数千kmを飛べるので、「小型だから近所しか飛べない」というわけではありません。

オチュン

大きな飛行機が幹線の特急なら、B737は街と街を結ぶ頼れる足。みんな、得意な仕事があるんですね。

空港でB737を見つける3つのヒント

まずは日本の空港でもなじみのある、737-800を例に見てみましょう。見たいのは「顔」「エンジン」「尾翼」です。

B737-800の見分け方。すっと伸びる機首、下側が平たいエンジンカバー、垂直尾翼の前に低く長く伸びるヒレを拡大したイラスト。
図3 737-800の観察ポイント。形を覚えるためのイメージで、細部は簡略化しています。
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顔はすっと伸びた印象

横や斜め前から見ると、B737の機首は先に向かってすっと細くなる印象です。よく似たA320は、比較的ふっくらした顔つきに見えます。

とはいえ、見る角度によって印象は変わります。「少しシャープな顔かな」と感じたら、ほかの場所も確かめてみましょう。

エンジンはカバーの下側を見る

737-800のエンジンを前から見ると、入口まわりのカバーの下側が、少し平たく見えます。まん丸というより、下を少し押したおむすびのような輪郭です。

B737は地上での機体の位置が比較的低く、エンジンと地面の間隔を確保する工夫がこの形に表れています。見ているのは外側のカバー。中で回るファンまで、平たい形をしているわけではありません。

初期の737-100・-200は、細長い別のエンジンを使っているので、この目印をB737の全世代にそのまま当てはめることはできません。

尾翼の前に小さな坂道がある

機体の後ろでは、上に立つ大きな翼「垂直尾翼」の付け根に注目。737-800には、その前方へ低く長く伸びるヒレがあります。大きな尾翼が立ち上がる手前に、小さな坂道が続いているような形です。

この部分の名前は「ドーサルフィン」。名前を忘れても、「尾翼の前に坂道があったな」と思い出せれば観察に役立ちます。ここも初期型まで、すべて同じ形というわけではありません。

顔・エンジン・尾翼を組み合わせて「B737らしい」と考え、最後は航空会社の機種案内と照らし合わせる。 この順番なら、迷った時間も楽しめます。

オチュン

すっとした顔、おむすびみたいなカバー、尾翼の前の坂道。全部見えなくても、ひとつずつ探してみましょう!

B737の歴史は4つの世代で見るとわかりやすい

B737には、長さや性能が違うたくさんの仲間がいます。いきなり型番を暗記するより、まずはOriginal、Classic、NG、MAXの4世代に分けて眺めてみましょう。

B737の4世代を比較するイラスト。Originalの737-200は細長いエンジン、Classicの737-400は太いエンジン、NGの737-800は上向きの翼端、MAXの737-8はエンジン後端のギザギザと上下に分かれる翼端を持つ。
図4 各世代から1機ずつ選んだ代表例です。全型式の一覧や正確な縮尺の図ではありません。翼端の装備には違いがあり、NGでも上下に分かれるタイプがあります。
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世代 主な型式 世代の始まり 覚えたい変化
Original(初期型) 737-100・-200 1967年初飛行、1968年就航 細長いエンジンを備えた出発点
Classic(クラシック) 737-300・-400・-500 1984年に最初の機体を引き渡し エンジンを太いCFM56-3に変更
NG(次世代型) 737-600・-700・-800・-900・-900ER 1997年に最初の機体を引き渡し 翼を大きくし、エンジンなども更新
MAX(マックス) 737 MAX 7・8・9・10 2017年にシリーズ初就航 LEAP-1Bエンジンや新しい翼端を採用

1960年代 都市間を結ぶために誕生

B737の初飛行は1967年4月9日。翌1968年2月10日、ルフトハンザ航空で定期便に就航しました。当初はおよそ100席の、都市間の短距離便を意識した飛行機でした。

低い脚や、短い時間で次の便へ折り返すための使いやすさも、この役割に合った設計です。「大きく、遠くへ」だけでなく、街と街を効率よくつなぐことも、旅客機には大切な仕事だったのです。

昔の空港を思わせる駐機場の737-200と、アルバムを開くオチュン。初期型の細長いエンジンと、ウィングレットのない翼を描いている。
図5 初期型の代表例、737-200。翼の下の細長いエンジンに注目してみましょう。
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1980年代 Classicはエンジンを大きく変更

1984年から引き渡しが始まったClassicでは、初期型の細長いJT8Dエンジンから、より太いCFM56-3エンジンへ変わりました。燃料の使い方や騒音の改善を目指した進化です。

ただし、もともと翼の位置が低いB737に太いエンジンをそのまま取り付けると、地面との間隔が狭くなります。そこで必要な間隔を保つため、エンジン下側にある機器を横へ移すなどの工夫をし、外側のカバーは下部が平たい独特の形になりました。中で回るファンを、平たくつぶしたわけではありません。

初期型の細長いJT8Dエンジンと、Classicの太いCFM56-3エンジンを、翼の下に付いた状態で並べた比較イラスト。オチュンが違いを案内する。
図6 初期型からClassicへのエンジンの変化。形をつかむための比較で、同じ縮尺の設計図ではありません。
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短めの-500、標準的な-300、長い-400というように、同じ世代にも大きさの違いがあります。型番が大きいほど必ず胴体も長い、という並びではないのが少し面白いところです。

1990年代 NGで翼やエンジンを更新

NGは「Next Generation」の略で、日本語なら「次世代型」。最初の737-700は、1997年12月17日にサウスウエスト航空へ引き渡されました。

大きく設計を変えた翼や、新しいCFM56-7Bエンジンなどによって、性能を高めた世代です。日本の航空会社の案内でもよく見かける737-800は、このNGの仲間です。

翼の先がくいっと上を向いた部品は「ウィングレット」。空気の流れを整え、燃料の節約などに役立ちます。ただし、NGの全機が同じ翼端を持っているわけではありません。

B737-800の翼の先で、なめらかに上へ曲がるウィングレットを大きく描いたイラスト。展望デッキのオチュンが指し示している。
図7 上向きのブレンデッド・ウィングレットを付けた737-800の例。NGには、ほかの翼端の形もあります。
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2010年代 MAXでさらに進化

2017年に初就航したMAXは、第4世代です。エンジンをLEAP-1Bへ変え、翼の先の形なども更新しました。エンジンカバーの後ろの縁にあるギザギザは「シェブロン」といい、騒音を減らす工夫のひとつです。

MAXの歴史には、重大な出来事もあります。2018年と2019年の2件の墜落事故を受け、2019年に運航が停止されました。米国のFAAは、設計変更や訓練などの条件を定めたうえで、2020年11月18日に運航停止命令を解除しました。機体の歴史を知るときには、こうした課題と対応も欠かせません。

オチュン

名前はずっとB737でも、中身は世代ごとに進化しています。約60年前に造った一機を、そのまま造り続けているわけではないんですね。

スペックで比べる737-800と737 MAX 8

数字は、身近な737-800(NG)と、その後の世代にあたる737 MAX 8(737-8)を並べるとつかみやすくなります。表の「2クラス仕様」は、普通席と上位席など、2種類の座席区分を設けた機内を指します。

項目 737-800(NG) 737 MAX 8(737-8)
全長 約39.5m 約39.5m
翼の端から端まで 約35.8m(ウィングレット付き) 約35.9m
全高 約12.5m 約12.3m
座席数の目安 160〜180席(2クラス仕様) 160〜180席(2クラス仕様)
エンジン CFM56-7Bを2基 LEAP-1Bを2基
航続距離の公表値 最大約5,190km 最大約6,480km

座席数は航空会社の配置によって変わります。航続距離はメーカーの公表条件による目安で、搭載重量や風などによって実際に飛べる距離は変わります。

全長が約40mというと、25mプールのおよそ1.6倍。737-800とMAX 8は、機体の全長がほぼ同じです。大きさが似ているからこそ、エンジンや翼端に目を向けると、世代の違いが見えてきます。

全長約39.5mのB737-800と25mプールを、横方向の長さで比べるイラスト。オチュンが巻き尺を持っている。
図8 25mプールと比べると、B737の大きさを想像しやすくなります。長さを比べた説明用のイメージで、細部や縮尺は簡略化しています。
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飛ぶ速さの感覚も見てみましょう。ANAが案内する国内線用737-800の一例では、巡航速度は時速約830km、座席数は166席です。小さめに見えても、空の上ではジェット機らしい速さで都市間を結びます。

ここでいう「巡航速度」は、上空で安定して飛ぶときの速さです。地上から目的地まで、ずっとこの速さで進むわけではありません。

737-800とMAX 8を見分けるときの注意点

737-800と737 MAX 8は、同じ機種の別表記ではありません。 前者はNG、後者はMAXという別の世代です。どちらにも「8」が入るので、ここは一度分けて覚えておきましょう。

737-800のなめらかなエンジンカバー後端と、737 MAX 8のギザギザした後端を、同じ向きから拡大して比べるイラスト。虫眼鏡を持つオチュンが見守る。
図9 比べたいのは、エンジンの後ろの縁。ギザギザはMAXを探す手がかりになります。大きさや細部は簡略化しています。
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外からMAXを探すなら、有力な手がかりはエンジンカバー後端のギザギザです。NGの737-800では、この縁はなめらかです。MAXはエンジン自体も大きくなっています。

一方で、「翼の先が上下に分かれているから、必ずMAX」とは言い切れません。 NGにも、上下に分かれる「スプリット・シミター」という翼端装置を後から付けた機体があります。

翼端は楽しい観察ポイントですが、最後はエンジンの形や機種案内も組み合わせるのがコツです。なお、B787など別の機種にもギザギザはあるので、これだけでB737そのものを判定する目印にはできません。

オチュン

B737の仲間だとわかったら、エンジンの後ろをもう一度。翼の先だけで決めないのが、観察上手への一歩です!

次の空港ではいつもの一機を探してみよう

B737の面白さは、特別な飛行機に会いに行かなくても、身近な旅の中で観察を楽しめることです。

青い窓側の座席でくつろぐオチュン。窓の外にはB737-800の翼と上向きのウィングレット、雲が見える。
図10 窓の外の翼にも、見覚えのある目印があるかもしれません。
イラストを押すと拡大できます

搭乗する便の機種が737-800だったら、窓から見える翼の先を眺めてみる。展望デッキで横顔が見えたら、尾翼の前の小さな坂道を探してみる。古い写真を見つけたら、初期型の細長いエンジンに注目してみる。

最初の目標は、型番を全部言い当てることではありません。「この顔、さっきの記事で見たな」と気づくこと。それだけで、ずらりと並ぶ飛行機が、少しずつ違う表情を持ちはじめます。

次の旅行で乗る一機にも、街と街をつないできた長い歴史が続いている。そう思うと、いつもの搭乗口で待つ時間も、ちょっと楽しみになりますね。

オチュン

次の空港では、顔・エンジン・尾翼のどれかひとつを探してみてください。B737を見つけたら、もう顔なじみです!

オチュンとおさらいする3問クイズ

選択肢を押すと、正解と解説が表示されます。ほかの選択肢も試せます。

第1問 B737の通路は何本

一般的なB737の客室で、前後に伸びる通路は何本でしょう。

A1本

正解! 答えはAの1本です。

B737は単通路機です。一般的な普通席は、通路を挟んで3席ずつ並びます。

B2本

おしい! 答えはAの1本です。

B737は単通路機です。一般的な普通席は、通路を挟んで3席ずつ並びます。

C3本

おしい! 答えはAの1本です。

B737は単通路機です。一般的な普通席は、通路を挟んで3席ずつ並びます。

第2問 737-800と737 MAX 8は同じもの

名前が似ているこの2機。正しい説明はどれでしょう。

A同じ機種の呼び方が違うだけ

おしい! 答えはBです。

長さはほぼ同じでも、エンジンや翼端などが違います。どちらも翼の下にエンジンを2基備えています。

B737-800はNG、MAX 8はMAXという別の世代

正解! 答えはBです。

長さはほぼ同じでも、エンジンや翼端などが違います。どちらも翼の下にエンジンを2基備えています。

C737-800だけがエンジン4基

おしい! 答えはBです。

長さはほぼ同じでも、エンジンや翼端などが違います。どちらも翼の下にエンジンを2基備えています。

第3問 翼端が上下に分かれていたら

B737の翼の先が上下に分かれていました。ここからどう見ればよいでしょう。

AMAXと決めてよい

おしい! 答えはCです。

NGにも、上下に分かれる翼端装置を取り付けた機体があります。見分け方は、いくつかの手がかりを組み合わせるのがコツです。

B初期型の737-200と決めてよい

おしい! 答えはCです。

NGにも、上下に分かれる翼端装置を取り付けた機体があります。見分け方は、いくつかの手がかりを組み合わせるのがコツです。

CNGにもあるので、エンジンや機種案内も確かめる

正解! 答えはCです。

NGにも、上下に分かれる翼端装置を取り付けた機体があります。見分け方は、いくつかの手がかりを組み合わせるのがコツです。

イラストは、提供されたオチュンを参考にAIで制作した説明用のイメージです。機体の細部や縮尺は簡略化しています。

出典と参考資料

資料確認日:2026年11月3〜4日。

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この記事を書いた人

図書館でブログを書く、とある会社の副社長。

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