シジュウカラ科の4兄弟、見分けられる? お腹・のど・翼でわかる野鳥入門

公園や森で見かける、ほっぺの白い小さな鳥。「シジュウカラかな?」と思って見ていると、少し違う姿の鳥が混じっていることがあります。

今回は、シジュウカラ、ヒガラ、コガラ、ヤマガラの4種を紹介します。最初に見るのはお腹の色と、黒い模様がどこまで続くか。それから、のどや翼を確かめてみましょう。

名前も姿もよく似た4種は、みんなスズメ目シジュウカラ科の仲間。いわば「シジュウカラ科の4兄弟」です。分類をもう少し細かく見ると、「属」はそれぞれ異なります。各鳥の紹介に、その分類も添えました。

分類の参考:日本鳥学会「日本鳥類目録 改訂第8版」掲載鳥類リスト

同じ縮尺を目安に並べたシジュウカラ、ヒガラ、コガラ、ヤマガラと、約18cmの大人の手。
4種の全体像と大きさの目安。人の手には個人差があります。

図は主に成鳥の特徴を示しています。冒頭の比較図は大きさの目安です。各種の詳しい図は特徴が見やすい大きさで描いているため、図どうしの表示サイズでは体格を比べないでください。

まずは、お腹の色と黒い模様をチェック

成鳥を見分けるときの早見表
鳥の名前最初に見るところもう一つの手がかり全長の目安
シジュウカラ胸からお腹へ伸びる黒い縦線白いほっぺ・背中の黄緑色約14.5cm
ヒガラのどの黒い部分が広い翼の白い帯が2本・短い冠羽約11cm
コガラのどの黒い部分が小さい黒いベレー帽のような頭約12.5cm
ヤマガラオレンジがかった茶色のお腹淡いクリーム色の顔・灰色の翼約14cm

全長は、くちばしの先から尾の先までの長さです。立っているときの高さではありません。遠くの鳥の数センチの差はわかりにくいので、大きさは補助にして、色と模様から確認しましょう。

全長の参考:サントリー「日本の鳥百科」のシジュウカラ、ヒガラ、コガラ、ヤマガラ

シジュウカラは、お腹まで続く黒いネクタイ

分類スズメ目・シジュウカラ科・シジュウカラ属

シジュウカラは、体の正面を見ると特徴がよくわかります。のどから胸、お腹の中央へ続く黒い縦線が、ネクタイのように見える鳥です。

シジュウカラの正面と斜め横。矢印で白い頬、胸から腹の黒い縦線、黄緑色の背中、翼の白帯1本を示す。
正面では黒いネクタイ、横向きでは背中と翼を確認。2羽は同じ種類を別の角度から描いたものです。

図の左側では、お腹まで伸びる黒い線を確かめてください。ヒガラやコガラにものどの黒い模様はありますが、シジュウカラのような長い縦線にはなりません。

横向きのときは、白いほっぺ、背中の上部の黄緑色、翼の白い帯1本が手がかりになります。お腹が枝に隠れていたら、向きを変えるのを待ってみましょう。

観察のコツ:「胸元が黒い」だけで決めず、その黒い模様がお腹まで伸びているかを見ます。

参考:あきた森づくり活動サポートセンター「シジュウカラ」、野生生物共有図鑑「シジュウカラ」

シジュウカラのオスとメスは、黒い帯の太さを比べる

オスもメスも、黒いネクタイ模様があります。典型的にはオスの帯が太く、メスの帯が細めです。特にお腹の下の方まで見えると、違いをつかみやすくなります。

シジュウカラの成鳥のオスとメスを同じ正面向きで比較。オスの黒い腹帯は太め、メスは細めだが両方に帯がある。
シジュウカラの雌雄の典型例。オスもメスも、胸からお腹へ黒い帯が続きます。

図では同じ正面の姿勢にそろえ、黒い帯の太さの違いを示しました。「ネクタイがあるからオス」「細いから別の種類」と考えないことが大切です。個体差や羽毛の膨らみ、姿勢によって判断しにくいこともあるので、お腹がよく見えないときは無理に性別を決めなくて大丈夫です。

参考:日本野鳥の会 BIRD FAN「シジュウカラ」、西岡公園「シジュウカラ」

ヒガラは、広い黒いのどと翼の白帯2本

分類スズメ目・シジュウカラ科・ヒガラ属

ヒガラは、今回の4種の中で最も小さい鳥です。シジュウカラと似ていますが、黒い模様はのどから胸の上部に広がり、お腹へ縦には伸びません。よだれかけのような黒い部分に注目しましょう。

ヒガラの正面と斜め横。広い黒いのど、お腹に縦線がないこと、短い冠羽、翼の白帯2本を矢印で示す。
のどの広い黒斑と、翼の白帯2本を組み合わせて確認。冠羽の立ち方は変わります。

図の左側では、広い黒いのどの下がお腹の淡い色に切り替わっています。右側では、たたんだ翼に白い帯が2本あることを確認してください。「翼帯(よくたい)」は、この翼の帯状の模様のことです。

頭のてっぺんにある、少しとがった羽は「冠羽(かんう)」。ただし、いつも図のように立って見えるとは限りません。頭の形だけで決めず、のどの広い黒斑と、翼の白帯2本を合わせて見ます。

主に山地の針葉樹林で暮らし、秋冬には平地へ下りてくることもあります。

参考:あきた森づくり活動サポートセンター「ヒガラ」、サントリー「ヒガラ」

コガラは、黒い帽子と小さなのどの斑

分類スズメ目・シジュウカラ科・コガラ属

コガラの頭は、黒いベレー帽をかぶったような形です。白いほっぺとの境がはっきりし、あごの下に小さな黒い斑があります。

コガラの正面と斜め横。黒いベレー帽状の頭、小さなのどの黒斑、灰褐色の背中、目立つ白帯のない翼を示す。
あごの下の小さな黒斑がポイント。ヒガラほど黒い模様が胸元に広がりません。

正面の図では、黒い模様があごの下に小さくまとまっているのがわかります。ヒガラの広いよだれかけとは、黒い部分の広がり方が違います。

背中と翼は灰色がかった茶色。翼の羽の縁が淡く見えることはありますが、ヒガラのような、はっきりした白帯2本は見られません。「黒い帽子」と「小さな黒いのど」をセットで覚えましょう。

本州以南では、主に標高の高い場所の林に生息します。見つけた環境も候補を考える助けになりますが、それだけで種類を決めず、姿も確かめてください。

参考:サントリー「コガラ」、九重ふるさと自然学校「九重の生物図鑑 鳥」

ヤマガラは、オレンジ色のお腹が目印

分類スズメ目・シジュウカラ科・ヤマガラ属

ヤマガラは、お腹のオレンジがかった茶色が目立つ鳥です。白黒の印象が強いほかの3種とは、まずお腹の色で比べてみましょう。

ヤマガラの正面と斜め横。淡いクリーム色の顔、黒いのど、オレンジ色のお腹、青灰色の翼を矢印で示す。
最初にお腹のオレンジ色を探し、顔や翼の色も確かめます。

図では、お腹の暖かいオレンジ色と、翼の青みのある灰色の組み合わせに注目してください。顔は真っ白というより淡いクリーム色で、のどは黒色です。黒い模様は、お腹の中央へ長い線にはなりません。

木の実を両足で押さえ、くちばしで割って食べる姿が見られます。エゴノキの実やドングリを好み、樹皮の隙間などに隠して蓄えることもあります。

参考:サントリー「ヤマガラ」、日本野鳥の会 京都支部「ヤマガラ」

ヒガラとコガラで迷ったら、のどと翼を並べて比べる

特に似ている2種は、のどの黒い部分の広さと、翼の白い帯を順に見てみましょう。

左のヒガラと右のコガラを比較。ヒガラは広い黒いのどと白帯2本、コガラは小さな黒斑と目立つ白帯のない翼。
似ている2種を並べて比較。黒斑の広さと白帯を、セットで見ます。
ヒガラとコガラの比較
見るところヒガラコガラ
のどの黒い部分広いよだれかけのように見えるあごの下に小さくまとまる
翼の白い帯はっきりした帯が2本ヒガラのような白帯2本はない
頭短い冠羽がある黒いベレー帽のような形

翼の帯は、羽の重なりや向きによって隠れることがあります。「2本見えなかったからコガラ」とすぐに決めず、のどや頭も確かめましょう。

参考:あきた森づくり活動サポートセンター「ヒガラ」、サントリー「コガラ」

次の散歩で試したい、見分ける順番

  1. お腹がオレンジがかった茶色? → この4種なら、まずヤマガラを考えます。
  2. 白っぽいお腹の中央に、長い黒い縦線がある? → シジュウカラの手がかりです。
  3. 縦線がなければ、のどと翼を確認。 → 広い黒いのどと白帯2本ならヒガラ、小さな黒いのどと黒い帽子ならコガラが候補です。

幼鳥は成鳥と色合いが異なることがあります。たとえばヤマガラの幼鳥では、お腹の赤みが目立ちません。図と少し違って見えても、すぐに名前を決めなくて大丈夫です。

参考:あきた森づくり活動サポートセンター「ヤマガラ」

北海道でコガラを探すとき:よく似たハシブトガラも候補に入ります。この4種だけで決めず、声やほかの特徴も確かめてください。
参考:西岡公園「ハシブトガラ」

まずは「お腹」「のど」「翼」の順番で、一つずつ。次に出会う小鳥の姿が、少し違って見えてくるかもしれません。

最後に、4問でおさらい

紹介した4種の成鳥を思い浮かべながら、三択問題に挑戦してみましょう。選択肢を押すと、正解・不正解と解説が表示されます。何度でも選び直せます。

第1問

胸からお腹の中央へ、黒いネクタイのような縦線が続く鳥は?

正解は B:シジュウカラ

お腹まで続く黒い縦線が目印です。オスにもメスにもあり、典型的にはオスが太め、メスが細めです。

第2問

のどの黒い部分が広く、翼に白い帯が2本ある鳥は?

正解は A:ヒガラ

広い黒いのどと、翼の白帯2本をセットで確認します。翼の帯が隠れて見えないこともあるので、一つの特徴だけで決めないようにしましょう。

第3問

黒いベレー帽のような頭で、あごの下の黒い斑が小さい鳥は?

正解は C:コガラ

ヒガラよりものどの黒い部分が小さくまとまります。翼には、ヒガラのような目立つ白帯2本はありません。

第4問

今回紹介した4種のうち、お腹がオレンジがかった茶色の鳥は?

正解は B:ヤマガラ

成鳥のヤマガラは、暖かいオレンジ色のお腹が目印です。淡いクリーム色の顔や、青みのある灰色の翼も確かめましょう。

迷ったら、お腹 → のど → 翼の順に、本文のイラストを見返してみましょう。見分けるポイントを一つ思い出せたら、次の観察で試してみてください。

イラストはAIで生成した成鳥の特徴説明図です。矢印は見分けるときに注目する場所を示しています。細部の模様や見え方には個体差があります。
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この記事を書いた人

図書館でブログを書くとある会社の社長。

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