「カワセミ」と聞いて、青く輝く小さな鳥を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。けれど、その仲間には、白黒模様の大きな鳥も、森の奥で鳴く赤い鳥もいるのです。
今回は、カワセミ・ヤマセミ・アカショウビンの3種を「カワセミ三兄弟」としてご紹介します。そっくりな鳥を見分けるというより、「同じ仲間なのに、こんなに個性的!」と楽しんでみてください。

冒頭の図は、成鳥の大きさの違いを同じ縮尺を目安に描いています。全長は、くちばしの先から尾の先まで。各鳥の紹介図は見やすい大きさで描いているため、図どうしの表示サイズでは体格を比べないでください。
カワセミ
青い背中とオレンジ色のお腹。川や池で暮らす、小さな魚とり名人。
ヤマセミ
白黒の模様と、ふさふさの冠羽。山あいの水辺で暮らす大きな仲間。
アカショウビン
大きな赤いくちばし。沢のある森で、声をひびかせる夏の訪問者。
カワセミは、水辺の青い宝石
分類ブッポウソウ目・カワセミ科・カワセミ属
まず登場するのは、三兄弟の中でいちばん小さなカワセミ。全長は約17cmです。鮮やかな青い背中に、オレンジ色のお腹。水面近くをすっと飛ぶ姿は、まさに「飛ぶ宝石」です。

イラストでは、青い背中と長くとがったくちばしに注目してください。見た目が華やかなだけでなく、このくちばしで水中の魚を捕まえます。枝や岩にじっととまり、水面を見つめていたと思ったら、すばやく飛び込む。静かな待ち時間と、一瞬の動きの両方が魅力の鳥です。
川や池などの水辺にすみ、身近な公園の池で出会えることもあります。北日本では、秋冬に暖かい地域へ移動するものもいます。
この鳥の魅力:身近な水辺に、宝石のような青い鳥がいる。その意外さと美しさを楽しめます。
参考:日本野鳥の会 BIRD FAN「カワセミ」、サントリー「日本の鳥百科 カワセミ」、京都市「きょうと市民しんぶん 令和2年5月1日号」
ヤマセミは、白黒模様の魚とり名人
分類ブッポウソウ目・カワセミ科・ヤマセミ属
「カワセミの仲間は、みんな青いの?」と思っていたら、次はヤマセミの出番です。全長は約38cm。小さなカワセミよりもずっと大きく、白と黒のまだら模様をまとっています。

いちばん目を引くのは、頭にふさふさと伸びた羽。これは冠羽(かんう)と呼ばれます。大きなくちばしに、個性的な髪形。青くなくても、横顔や体つきを見ると、カワセミの仲間らしさを感じられます。
山あいの川や湖などで暮らし、主に魚を食べます。水面を見渡せる枝や岩から獲物をねらう姿は、カワセミと共通。「キャラッ、キャラッ」と聞こえる鋭い声も、この鳥の存在を知らせてくれます。
紹介図はオスの例で、胸に茶色味があります。メスでは、翼の裏側に茶色い部分があります。白黒の鳥にも、よく見るとこんな色の違いが隠れています。
この鳥の魅力:白黒の模様、立派な冠羽、大きな体。山あいの水辺に似合う、存在感のある仲間です。
アカショウビンは、森にひびく赤い鳥
分類ブッポウソウ目・カワセミ科・アカショウビン属
最後は、名前に「カワセミ」が入っていないアカショウビンです。全長は約27cm。赤褐色の体と、大きな赤いくちばしが印象的な、カワセミ科の仲間です。

この鳥が暮らすのは、よく茂った広葉樹林。沢のある森などで、カエルやサワガニ、トカゲ、昆虫といった生き物を捕らえます。魚を捕るカワセミやヤマセミを思い浮かべると、「森でそんなものも食べるんだ!」と、仲間の世界が広がります。
日本には、繁殖のためにやってくる夏鳥(なつどり)。森の奥から「キョロロロロ……」と、しだいに下がっていくような声が聞こえても、姿はなかなか見つかりません。声との出会いにも、わくわくする鳥です。
赤い体にも、ひそかな青が。腰には小さな青い部分があります。とまっているときは翼などに隠れて見えにくいですが、図では尾の付け根付近に、ちらりとのぞいています。
この鳥の魅力:緑の森に映える赤い姿と、遠くまでひびく声。姿が見えなくても、森の印象を変えてしまうような鳥です。
違う姿でも、同じカワセミ科の仲間
青くて小さなカワセミ。白黒模様で大きなヤマセミ。森で鳴く赤いアカショウビン。色や大きさ、暮らす場所は違っても、3種はみんなブッポウソウ目・カワセミ科に分類されます。
大きめの頭、長くとがったくちばし、短い脚。姿を並べて眺めると、共通する雰囲気が見えてきます。一方で、さらに細かな分類の「属」はそれぞれ異なります。
分類の参考:日本鳥学会「日本鳥類目録 改訂第8版」掲載鳥類リスト
| 鳥 | 全長の目安 | 姿の印象 | 主な暮らしの舞台 | 日本での暮らし |
|---|---|---|---|---|
| カワセミ | 約17cm | 青い背中・オレンジ色のお腹 | 川や池などの水辺 | 主に留鳥。北日本では季節移動も |
| ヤマセミ | 約38cm | 白黒のまだら模様・冠羽 | 山あいの川や湖 | 留鳥 |
| アカショウビン | 約27cm | 赤褐色の体・赤いくちばし | 沢のある森など | 夏鳥 |
「留鳥(りゅうちょう)」は、同じ地域で一年を通じて暮らす鳥。「夏鳥」は、日本では主に春から夏にかけて繁殖し、秋には渡っていく鳥です。地域によって見られる時期には違いがあります。
大きさと暮らしの参考:BIRD FAN「カワセミ」、サントリー「日本の鳥百科」のヤマセミ・アカショウビン
次にカワセミの写真を見たり、水辺で青い姿に出会ったりしたら、「白黒の仲間や、赤い仲間もいるんだな」と思い出してみてください。一羽の鳥から、川や森へと興味がつながっていきます。
観察するときは、少し離れて静かに。巣に近づいたり、録音した鳴き声で呼び寄せたりせず、鳥たちの暮らしを眺めましょう。
最後に、3問でおさらい
三兄弟の姿や暮らしを思い出して、気軽に挑戦してみましょう。選択肢を押すと、正解・不正解と解説が表示されます。何度でも選び直せます。
青い宝石、白黒の名人、森の赤い鳥。気になった仲間から、少しずつ知っていきましょう。
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