オチュンの水辺の観察ノート
顔・くちばし・大きさを比べると、
いつもの池に、違いが見えてくる。
冬の池に、ぷかぷか浮かぶカモたち。「みんな同じカモ」に見えていても、よく見ると、緑の頭、黄色いくちばしの先、すらりと長い尾……それぞれに目印があります。
今回は、マガモ・カルガモ・コガモ・オナガガモの4種を紹介します。図鑑の名前と、目の前の姿を結びつけるために、オチュンと一緒に見る場所を決めていきましょう。
最初に、比べる姿をそろえよう
この記事の見分け方は、主に冬の成鳥のオスを中心にしています。カルガモはオスとメスの羽色がよく似ています。メス、若鳥、羽が生え替わる途中の鳥には、そのまま当てはまらない特徴もあるので、後半で補足します。
オチュン今日は、池で「黄色いくちばしの先」を見つけるだけでも大発見。4種全部を一度に覚えなくても大丈夫だよ。
まずは、4種の違いをひと目で
まずは頭 → くちばし → 体と尾の順に見てみましょう。ひとつの色で決めず、2つ以上の特徴が合うかを確かめるのがコツです。
| 鳥の名前 | 最初に見る目印 | 全長の目安 |
|---|---|---|
| マガモ 冬のオス | 緑の頭と黄色いくちばし。 胸は栗色。 | 約59cm |
| カルガモ 成鳥 | 黒いくちばしの先が黄色。 顔は白っぽく、暗い線がある。 | 約61cm |
| コガモ 冬のオス | 茶色の頭、目の横に緑の帯。 4種の中では小柄。 | 約38cm |
| オナガガモ 冬のオス | 茶色の頭と白く長い首。 尾の中央が細く長い。 | オス約75cm メス約53cm |


緑色が見えたときも、「頭全体なのか、目の横の帯なのか」を見比べます。マガモは頭が緑、コガモは茶色の頭に緑の帯。似た色でも、ある場所が違うのですね。
4種の目印を、一羽ずつ見てみよう
マガモ|緑の頭に、黄色いくちばし
冬のオスは、光沢のある緑の頭が印象的です。そこに黄色いくちばし、首の細い白い輪、栗色の胸が続きます。尾のあたりまで見えたら、くるりと巻いた黒い羽も探してみてください。
ただし、日陰や逆光では、緑の頭が黒っぽく見えることもあります。「緑に見えないから別の鳥」と急がず、くちばしや胸も合わせて確認しましょう。
カルガモ|黒いくちばしの、先だけ黄色
全体は茶色っぽく、顔は淡い色。目を通る暗い線があります。まず探したいのは、黒いくちばしの先にある黄色です。マガモのオスのように、くちばし全体が黄色い姿とは区別してみましょう。
カルガモは、オスとメスがよく似た羽色をしています。「地味だからメス」とは決められません。雌雄の細かな違いは次の段階にして、最初は種類の目印を覚えれば十分です。
コガモ|小さな体と、顔の緑の帯
名前に「コ」が付いていますが、カモの子どもではありません。コガモという別の種類の鳥です。全長は約38cm。マガモやカルガモと同じくらいの距離で並んでいると、その小柄さがわかります。
冬のオスは、茶色の頭の目の横から後ろへ緑の帯が伸びています。お尻の横にある黄色い三角形の模様も、もうひとつの目印です。顔だけで迷ったら、体の後ろ側にも目を向けてみましょう。
オナガガモ|長い尾と、すらりとした白い首
冬のオスは、チョコレート色の頭と白い胸が目立ちます。白い部分は、首の側面へ細く伸びています。灰色の体の後ろには、細長い尾羽。名前のとおり、「尾が長いカモ」と覚えると姿を思い出しやすくなります。
メスには、オスのような長い中央尾羽はありません。尾が水面やほかの鳥に隠れることもあるので、首の長さ、白い部分の形、細長い体つきも合わせて見てみましょう。



マガモとコガモは「緑がどこにある?」。カルガモは「黄色がどこにある?」。オナガガモは「首と尾はどんな形?」。見る場所が決まると、探しやすいね!
新聞紙と比べて、大きさをつかもう
鳥の全長は、くちばしの先から尾の先までの長さです。立ったときの背丈や、胴体だけの大きさではありません。
ここでは、新聞紙を横に広げた「見開き」と比べてみましょう。一般的なブランケット判の新聞紙は、1ページが約40.6×54.6cm。2ページ分を広げると、横幅約81.2cm、縦約54.6cmになります。


コガモの約38cmは、見開きの横幅の半分ほど。マガモの約59cmとカルガモの約61cmは、横幅の4分の3くらいです。オナガガモのオスの約75cmは、見開きの横幅より少し短い長さ。身近な紙に置き換えると、全長のイメージがつかみやすくなりますね。
75cmのオナガガモは、胴体も一番大きい?
オナガガモのオスは、長い尾羽を含めて全長約75cmです。この数字だけで「マガモより胴体が大きい」とは判断できません。メスの全長の目安は約53cmで、オスのような長い中央尾羽はありません。
野外では、近い鳥ほど大きく見えます。大きさは、同じくらいの距離にいる鳥どうしで比べると役に立ちます。遠くにぽつんと一羽だけいるときは、数字より先に、顔やくちばしの目印を探してみてください。
茶色いカモは、みんなカルガモ?
池で茶色いカモを見つけたら、カルガモでしょうか。実は、マガモ・コガモ・オナガガモのメスにも、茶色い羽の模様があります。「茶色=カルガモ」という決め方はできません。


まずは、マガモのメスと比べてみよう
マガモのメスは、茶色い体に細かな暗い模様があり、くちばしは橙色系に黒い模様が入ることが多い姿です。カルガモの「黒く、先が黄色いくちばし」と比べると、見分ける手がかりになります。
くちばしの色や模様には個体差があり、ほかの種類や交雑した個体もいます。この2つの配色だけで、池のカモをすべて分類できるわけではありません。迷ったら写真やメモを持ち帰って、図鑑でもう一度確かめましょう。
オスも、ずっと同じ羽色ではない
マガモなどのオスには、主に夏から初秋に、メスに似た地味な羽色になる時期があります。この姿をエクリプスといいます。羽が生え替わる途中では、茶色と鮮やかな色が混じって見えることもあります。
マガモでは、エクリプスのオスもくちばしは黄色系です。「頭が緑ではないからメス」と決めず、季節とくちばしも合わせて考えてみましょう。秋に渡ってきたカモでも、羽色が整う時期には種類や個体による違いがあります。



図のとおりの姿が見つからない日もあるんだね。「茶色い体、くちばしは黄色っぽい」と、見えたことをそのままメモしておこう。
次の散歩で、こんなふうに観察しよう
一年中いるカモと、秋冬にやってくるカモ
カルガモは、日本の多くの地域で一年を通して見られます。ただし北海道では、冬に数が少なくなります。マガモ・コガモ・オナガガモは、秋冬に北からやって来る個体が多いカモです。マガモとコガモには、北日本などで繁殖する個体もいます。
「冬鳥」という言葉も、日本のどこで観察するかによって受け取り方が変わります。近所の池で春や夏にも見かけたら、その記録も残してみてください。季節を変えて通うと、同じ池の顔ぶれがどう変わるかを楽しめます。
次の散歩では、この順番で
- 遊歩道で、まず立ち止まる。 群れへ近づく前に、離れた場所から全体を眺めます。
- 一羽を選んで、顔とくちばしを見る。 緑の場所、黄色の場所を確かめましょう。
- 首・体・尾まで、目を動かす。 細長いか、小柄か。隣の鳥と同じくらいの距離なら、大きさも比べられます。
- 見えた目印を2つ書く。 「黒いくちばし、先が黄色」のように、あとで図と比べられる言葉にします。
休むカモは、そのまま見守ろう
餌で呼び寄せたり、追いかけたりせず、通路から静かに観察しましょう。眠っているカモを、顔が見たいからと起こす必要はありません。施設ごとの案内や立入禁止の表示にも従ってください。
オチュンの復習クイズ、8問に挑戦!
選択肢を押すと、正解と解説が開きます。間違えても、別の答えを選んで確かめられます。点数をつけず、見る場所を思い出すためのおさらいです。



まずは図を見ながらで大丈夫。「どうしてそのカモだと思ったか」も、ひとこと言ってみよう!
Q1 緑の頭に黄色いくちばし。冬の成鳥のオスなら、どのカモ?
Q2 今回の4種で、黒いくちばしの先が黄色いのは?
Q3 コガモという名前は、どんな意味で覚えるとよい?
Q4 冬の成鳥のオスで、長い尾と白く長い首が目立つのは?
Q5 オナガガモのオスは全長約75cm。これは何の長さ?
A. 立ったときの高さ
もう一度たしかめよう。正解は「くちばしの先から尾の先まで」です。
全長は、くちばしの先から尾の先までの長さです。オナガガモのオスは長い尾羽も含むので、胴体が4種でいちばん大きいとは限りません。
C. 胴体だけの長さ
もう一度たしかめよう。正解は「くちばしの先から尾の先まで」です。
全長は、くちばしの先から尾の先までの長さです。オナガガモのオスは長い尾羽も含むので、胴体が4種でいちばん大きいとは限りません。
Q6 茶色いカモを見つけたら、すぐカルガモと決めてよい?
A. 茶色なら全部カルガモ
もう一度たしかめよう。正解は「くちばしや顔も見て、ほかのカモのメスなども考える」です。
マガモなどのメスも茶色い姿です。季節によって地味な羽色になったオスもいるため、色だけで決めず特徴を組み合わせます。
B. 小さければ全部カルガモ
もう一度たしかめよう。正解は「くちばしや顔も見て、ほかのカモのメスなども考える」です。
マガモなどのメスも茶色い姿です。季節によって地味な羽色になったオスもいるため、色だけで決めず特徴を組み合わせます。
C. くちばしや顔も見て、ほかのカモのメスなども考える
正解!
マガモなどのメスも茶色い姿です。季節によって地味な羽色になったオスもいるため、色だけで決めず特徴を組み合わせます。
Q7 マガモなどのオスが、主に夏〜初秋に地味な羽色になる姿を何という?
Q8 カモを観察するとき、まず選びたい行動は?
B. 餌で近くへ呼び寄せる
もう一度たしかめよう。正解は「遊歩道で立ち止まり、離れた場所から見る」です。
遊歩道などから静かに見る方法です。自分から追いかけず、休んでいるカモはそのままに。見えた模様をメモしてみましょう。
C. 眠る群れの中へ近づく
もう一度たしかめよう。正解は「遊歩道で立ち止まり、離れた場所から見る」です。
遊歩道などから静かに見る方法です。自分から追いかけず、休んでいるカモはそのままに。見えた模様をメモしてみましょう。
次に池へ行ったら、まずは一羽。顔とくちばしの「見えた違い」を探してみてください。名前がひとつわかると、いつもの水辺に、また会いたい相手が増えるかもしれません。
参考資料と図について
本文と図の構成は、以下の資料を参照してまとめました。写真や他者の図版の転載はしていません。数値や見た目は成鳥の目安で、季節・性別・個体・光の条件によって違いがあります。
- 日本野鳥の会 BIRD FAN「マガモ」
全長59cm、国内での繁殖と渡来、エクリプスのオスのくちばし。 - 日本野鳥の会 BIRD FAN「カルガモ」
全長61cm、くちばしの配色、通年の観察と北海道の冬季の少なさ。 - 日本野鳥の会 BIRD FAN「コガモ」
全長38cm、オスの顔と体の模様、渡来と北日本の一部での繁殖。 - 日本野鳥の会 BIRD FAN「オナガガモ」
オス75cm・メス53cm、首と尾の形、オスのくちばし。 - サントリー 日本の鳥百科「マガモ」
オスの緑の頭、栗色の胸とカールした尾羽、メスの褐色の羽。 - サントリー 日本の鳥百科「カルガモ」
雌雄の羽色が似ていること、顔とくちばしの特徴。 - サントリー 日本の鳥百科「オナガガモ」
チョコレート色の頭、胸から首の側面へ伸びる白線、長い中央尾羽。 - 東京動物園協会「オシドリの『エクリプス』」
カモ類のオスが非繁殖期に地味な羽色になること。 - バードライフ・インターナショナル東京「Field Guide 2021年12月 マガモ」
マガモのエクリプス、換羽の時期と、オスの黄色いくちばし。 - 日本野鳥の会 BIRD FAN「身近な野鳥と季節の野鳥」
秋冬の水辺での観察、日本へ渡ってくるカモの仲間。 - 環境省 中国四国地方環境事務所「マガモ・カルガモ・・・マルガモ?」
マガモのメスとカルガモの似た姿、両種の特徴をもつ個体の記録。 - 環境省 生物多様性センター 鳥類アトラス「マガモ」
メスのくちばしはオレンジを帯びた褐色で、上面の中央が黒いこと。 - 国土交通省 北海道開発局「十勝の川の生き物たち マガモ」
全長の定義、マガモのメスとカルガモのくちばしの比較。 - 日本印刷産業連合会 印刷用語集「ブランケット判」
一般的な新聞紙1ページは406×546mm。図の見開き横幅は2ページ分として81.2cmと計算。
資料確認日:2026年11月6日。案内役はユーザー提供キャラクター「オチュン」。挿絵には、提供キャラクターを参照したAI制作の図と、既存の記事用にAI制作した鳥のイラストを使用しています。模様や形は学習用に簡略化しており、写真や厳密な測定図ではありません。















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