空気の境目に現れるソラモン『ゼンセン』

空を見上げると、晴れていたのに急に雲が広がったり、しとしとと雨が降り始めたりすることがあります。

そんな天気の変化の裏側には、「前線」と呼ばれる大切な存在があります。

今回紹介するソラモンは、そんな前線そのものが姿を変えた不思議なソラモン――『ゼンセン』です。

長いヘビのような体を持ち、暖かい空気と冷たい空気の境目に現れることで知られています。

それでは、ゼンセンの秘密を見ていきましょう。

ゼンセンってどんなソラモン?

ゼンセンは、暖かい空気と冷たい空気の境目に現れるソラモンです。

空気には温度や湿り気の違いがあります。

暖かい空気のかたまりと冷たい空気のかたまりが出会うと、その境界が「前線」になります。

ゼンセンはその前線そのものが生き物になった存在です。

地面の上をゆっくりとはいながら、暖かい空気と冷たい空気の境目を旅しています。

普段は穏やかな性格ですが、周囲の空気が大きく変化すると活発になり、天気にも影響を与えることがあります。

温暖前線の姿

ゼンセンにはさまざまな姿がありますが、もっとも穏やかなのが温暖前線の姿です。

体はほんのり赤く、背中には温暖前線の記号と同じ半円形のヒレが並んでいます。

温暖前線は、暖かい空気が冷たい空気の上をゆっくりとのぼっていくときにできる前線です。

そのため温暖前線の姿のゼンセンも、急いで移動することはありません。

のんびりと地面をはいながら進み、その周囲には少しずつ雲が増えていきます。

ゼンセンが近くに現れると、空には薄い雲が広がり始め、やがて雨を降らせることがあります。

ゼンセンが来ると天気はどうなる?

温暖前線の近くでは、空の様子が少しずつ変化していきます。

最初は高いところにうすい雲が現れます。

その後、雲はだんだん厚くなり、空全体を覆うようになります。

やがて弱い雨や長く続く雨が降り始めることがあります。

これは暖かい空気がゆっくりと持ち上げられ、水蒸気が雲になっていくためです。

ゼンセンがゆっくり進むほど、雨も長く続くことがあります。

天気予報で「温暖前線が接近しています」と聞いたら、それはゼンセンが近づいている合図なのかもしれませんね。

天気図に現れるゼンセン

気象予報士が使う天気図には、前線が記号で描かれています。

温暖前線は、赤い線に半円が並んだ形で表されます。

これはゼンセンの背中のヒレとそっくりです。

実際の前線は何百キロ、時には何千キロも続く巨大な境界です。

もし本当にゼンセンが見えたとしたら、とても大きくて全身を見ることは難しいでしょう。

私たちが見ている雲や雨は、巨大なゼンセンが空を旅した跡なのかもしれません。

前線には仲間もいる

ゼンセンには温暖前線の姿以外にも仲間がいます。

寒冷前線の姿では体が青くなり、背中には三角形のヒレが並びます。

こちらは動きが速く、強い雨や雷雨を連れてくることがあります。

停滞前線の姿は赤と青が混ざった模様になり、同じ場所に長くとどまることが得意です。

梅雨の季節によく見られるのは、この停滞前線の姿かもしれません。

さらに前線が成長すると、閉塞前線の姿へ変化するとも言われています。

おわりに

ゼンセンは、暖かい空気と冷たい空気の境目に現れる不思議なソラモンです。

温暖前線の姿では穏やかに地面をはいながら進み、少しずつ雲を増やして雨を連れてきます。

普段何気なく見ている天気図の前線記号も、ゼンセンの背中のヒレだと思うと少し親しみがわいてきませんか?

次に空を見上げて雲がゆっくり増えてきたら、「もしかしたら近くをゼンセンが旅しているのかも」と想像してみてください。

きっといつもの天気が、少しだけ面白く見えてくるはずです。

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この記事を書いた人

図書館で勝手に仕事をしている小さな会社のドケチ社長。口癖は「コーヒーの一滴は血の一滴」

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