名前がわかると、いつもの鳥がもっと見えてくる。
顔の模様から翼の羽、足指と尾の形まで。図鑑を読むための地図を作ろう。

鳥の図鑑に「白い眉斑」「黒い過眼線」と書いてあって、どこを見ればいいのか迷ったことはありませんか。漢字だけを見ると難しそうですが、場所がわかると、鳥の姿を言葉で説明できるようになります。
今回は、全身の部位、顔と目の細部、翼の羽、足指の配置、水かき、尾の形まで、手書き風の挿絵と模式図でたどります。鳥検定の勉強でも、用語を丸暗記するだけでなく「どこにあるか」「近くの部位とどう違うか」をセットにすると、知識を整理しやすくなります。
01 / 全身まずは「どのあたり?」の地図を作ろう
鳥を横から見て、頭から尾へ、背中からおなかへと目を動かしてみましょう。なじみのある言葉も多いので、最初はこの全身図を入口にすれば十分です。

| 名前・読み方 | どこ?/覚える手がかり |
|---|---|
| 頭頂(とうちょう) | 頭のてっぺん。額より後ろにある、頭の上の部分。 |
| 額(ひたい)・後頭(こうとう) | 額はくちばしのつけ根の上。後頭は頭の後ろ側。 |
| 喉(のど)・胸(むね) | 喉は下のくちばしの下から首の前側。胸はその下、体の前側。 |
| 腹(はら)・脇(わき) | 腹は胸より下に続く体の下面。脇は体の横側で、たたんだ翼の下に隠れることも。 |
| 背(せ)・腰(こし) | 背は胴体の上面。腰は背より後ろ、尾のつけ根へ続くあたり。 |
| 肩羽(かたばね) | 背と翼のつけ根の境目付近を覆う羽。翼の上にかぶさって見えることも。 |
| 尾羽(おばね) | 体の後ろに伸びる尾の羽。たたんだ翼の先と見分けよう。 |
参考:国営讃岐まんのう公園「観察力を高めるために」 / 環境省 鳥類標識マニュアル「鳥体各部の名称」
「背中が茶色」と「翼が茶色」は、分けて考える
ふだんの会話では、上から見える部分をまとめて「背中」と呼びたくなります。でも、図鑑の部位名としての背は胴体の上面で、翼そのものは別の場所です。翼をたたむと、その羽が背の横へ重なって見えるため、境目がわかりにくくなることがあります。
肩羽は背と翼の境目にかぶさる羽、腰は背の後ろから尾のつけ根へ続く部分。腰のさらに後ろで、尾羽のつけ根を上から覆う羽が上尾筒です。「背 → 腰 → 上尾筒 → 尾羽」と場所をたどると、体の後ろ側を整理できます。
頭頂・後頭・後頸を分ける
頭のてっぺんが頭頂、その後ろが後頭、そこから首の後ろに続く部分が後頸(こうけい)です。頭に立つ、まとまった飾りの羽は冠羽(かんう)。冠羽は頭頂という「場所」に生える羽で、頭頂と同じ意味ではありません。
境目は、線を引いたようにくっきり見えるとは限りません。まずは図鑑の各部名称図と見比べて、同じ言葉がどの範囲を指しているか確認しましょう。
02 / 顔目の「上・まわり・通り道」を見よう
顔では、目を目印にすると位置を探しやすくなります。「頭側線」「眉斑」「過眼線」は、頭や顔にある模様を表す言葉です。すべての鳥に、はっきりした模様があるわけではありません。

頭側線は「眉斑の、さらに上」
頭側線(とうそくせん)は、眉斑よりもさらに上、頭頂の左右に沿って前後にのびる帯状の模様です。黒や濃い褐色などの線として目立つ鳥がいます。目を通る過眼線よりも、ずっと上側を見ましょう。
横顔では、上から「頭側線 → 眉斑 → 過眼線」とたどると位置を整理できます。この図は横向きなので、手前側の頭側線を示しています。なお、頭央線(とうおうせん)は頭頂の中央を前後に通る模様で、頭側線とは位置が違います。すべての鳥で、これらの線がはっきり見えるわけではありません。
| 名前・読み方 | どこ?/覚える手がかり |
|---|---|
| 頭側線(とうそくせん) | 眉斑のさらに上を、前後にのびる帯状の模様。頭頂の左右にあり、目を通る過眼線とは位置が違います。 |
| 眉斑(びはん) | 目の上にある、眉のような帯状の模様。人間の眉毛そのものではありません。 |
| 過眼線(かがんせん) | 目を通る線状の模様。「眼を通過する線」と分けて覚えよう。 |
| アイリング | 目のすぐまわりを囲む輪。図鑑では白い羽の輪などを指します。目の中の虹彩とは別です。 |
| 眼先(めさき) | 目とくちばしのつけ根の間。「目の前の小さな場所」と覚えよう。 |
| 頬(ほお)・耳羽(じう) | 頬は顔の横、目の下あたり。耳羽は目の後ろから下にある、耳の穴を覆う羽。図鑑によって部位の分け方に違いがあります。 |
参考:環境省 鳥類標識マニュアル「鳥体各部の名称」 / 国営讃岐まんのう公園「観察力を高めるために」
顎線は「口もとから、頬の下側」
顎線(がくせん)は、下のくちばしのつけ根付近から、頬の下側へ続く線状の模様です。目を通る過眼線よりも下にあります。顔の線を上から順に「頭側線 → 眉斑 → 過眼線 → 顎線」と見ていくと、どの線の話なのか迷いにくくなります。
「顎」は下嘴のすぐ下、「喉」はそこから首の前へ続く範囲を指します。一方、顎線はその周辺に見える模様の名前です。資料によって顔の線の呼び分けが違うこともあるので、用語と図をセットで確かめましょう。
耳羽の下には、耳の穴がある
目の後ろから下にかけて広がる羽が耳羽です。鳥には人間のような、外に張り出した耳たぶは見えません。耳の穴を羽が覆っているので、外からは羽の色や輪郭を手がかりに、その位置を見ます。
03 / 目の細部瞳孔・虹彩・アイリングは、別の場所
「目が黄色い」「白い輪がある」と聞いたとき、その色は目のどこにあるのでしょう。ここは、見分けの説明でも混同しやすいところです。目の中央 → その周り → 目の外側の順に見てみましょう。
| 名前・読み方 | どこ?/覚える手がかり |
|---|---|
| 瞳孔(どうこう) | 目の中央にある、光を取り入れる穴。外からは黒く見えることが多い部分です。 |
| 虹彩(こうさい) | 瞳孔の周りにある、色のついた部分。瞳孔に入る光の量を調節します。 |
| アイリング | 目の外周を囲む輪として見える模様。白い羽毛の輪などがあり、虹彩の色とは区別します。「眼瞼輪(がんけんりん)」と表記する図鑑もあります。 |
鳥の虹彩には、黄・赤・褐色などさまざまな色があります。たとえば「虹彩が黄色い」は目の中の色の話で、「白いアイリングがある」は目の外側の輪の話です。虹彩が明るいと白目のように見えることもありますが、白く見える部分がいつも人間の白目と同じとは限りません。
04 / くちばし「嘴」は、くちばしのこと
図鑑で出会う「嘴」という漢字は、くちばしを表します。上側のくちばしは上嘴、下側は下嘴。上と下で色が違うとき、どちら側かを言葉で伝えるのに便利です。
くちばしのつけ根寄りなどに見える小さな鼻の穴は、鼻孔(びこう)。観察するときは「長い・短い」だけでなく、太さ、曲がり方、上下の色にも注目してみましょう。
上嘴と下嘴は、別々に観察する
上下で色が異なる鳥では、「くちばしが黄色い」だけでは説明が足りないことがあります。上嘴は暗色で、下嘴のつけ根が淡色というように、上下・つけ根・先端を分けて記録すると、図鑑との照合がしやすくなります。
口角(こうかく)は、くちばしの上下が合わさる口の端。猛禽類やインコの仲間などでは、上嘴のつけ根に蝋膜(ろうまく)と呼ぶ部分があり、そこに鼻孔が開いています。どの鳥にも同じ形の蝋膜が目立つわけではありません。
05 / 翼長い「風切」と、それを覆う「雨覆」
翼には、形や位置の違う羽が重なっています。まずは風切(かざきり)と雨覆(あまおおい)の2グループに分けてみましょう。風切は翼の後ろ側に並ぶ長い羽。雨覆は、風切のつけ根を覆う羽です。

| 名前・読み方 | どこ?/覚える手がかり |
|---|---|
| 初列風切 しょれつかざきり | 翼の外側・先端寄り。骨格では、手にあたる部分に付く風切。 |
| 次列風切 じれつかざきり | 初列より体に近い側。骨格では、前腕の尺骨に付く風切。 |
| 三列風切 さんれつかざきり | さらに体に近い側にある風切。小鳥では次列風切の最も内側の一部をこう呼びます。 |
| 雨覆 あまおおい | 風切のつけ根を覆う羽。翼の上面にも下面にもあります。 |
参考:BIRDER「第1回 鳥体各部の名称」 / 環境省 鳥類標識マニュアル「鳥体各部の名称」
雨覆を、もう少し細かく見てみよう
長い風切の名前がわかったら、次はそのつけ根に重なる羽を見ます。ここでいう大・中・小は、主に次列風切の上を覆う雨覆を整理するときに使う区分です。羽の先端から体へ向かう向きだけで決めず、どの風切の、どの部分を覆う列なのかに注目しましょう。
| 名前・読み方 | どこ?/覚える手がかり |
|---|---|
| 大雨覆(おおあまおおい) | 雨覆のなかで比較的長く、次列風切のつけ根側に重なる列。大きな羽先が並んで見えます。 |
| 中雨覆(ちゅうあまおおい) | 大雨覆より前縁側に重なる列。小鳥では一列として見えることが多い区分です。 |
| 小雨覆(しょうあまおおい) | さらに前縁寄りに広がる、小さな羽の集まり。 |
| 初列雨覆(しょれつあまおおい) | 初列風切のつけ根を上から覆う羽。長い初列風切そのものとは別です。詳しい図では初列大雨覆などと細分します。 |
| 小翼羽(しょうよくう) | 翼の前縁、手首のあたりにある小さな羽のまとまり。骨格では第1指、親指にあたる部分に付きます。 |
| 肩羽(かたばね) | 背側から翼のつけ根にかぶさる羽。翼の前縁の小翼羽とは、位置も付く場所も違います。 |
| 下雨覆(したあまおおい) | 翼の下面で、風切のつけ根などを覆う羽の総称。上から見た図では見えません。 |
翼帯は、羽の名前ではなく「模様」の名前
翼帯(よくたい)は、翼の上に帯のように見える模様です。小鳥では、雨覆の淡色の羽先が一列にそろうことで帯に見える例があります。羽のグループそのものを指す雨覆と、模様を指す翼帯は、言葉の役割が違います。
「翼帯が2本ある」と読んだら、翼に2本の帯模様を探します。そのうえで「どの羽の色が、その帯を作っているのか」と図を見直すと、部位名と模様が結びつきます。
参考:環境省 鳥類標識マニュアル「鳥体各部の名称」 / BIRDER「第1回 鳥体各部の名称」 / 国立科学博物館 自然教育園報告40「キマユムシクイの記録」
06 / 尾と足「尾のつけ根」と「足の甲」にも名前がある
尾と足には、日常ではあまり使わない漢字が登場します。ここでも、大きな場所 → 小さな場所の順に探してみましょう。
| 名前・読み方 | どこ?/覚える手がかり |
|---|---|
| 上尾筒(じょうびとう) | 尾羽のつけ根を上から覆う羽。「上尾覆」と表す資料もあります。 |
| 下尾筒(かびとう) | 尾羽のつけ根を下から覆う羽。長い尾羽そのものと分けて見よう。 |
| 跗蹠(ふしょ) | 足首から、足指のつけ根まで。人間でいう足の甲にあたる部分です。 |
| 趾(あしゆび/し) | 足の指のこと。「対趾足」などの用語では「し」と読みます。 |
参考:環境省 鳥類標識マニュアル「鳥体各部の名称」 / 京都市動物園「野鳥を測定」
後趾と爪、そして距も分けておこう
後趾(こうし)は、一般的な小鳥では後ろを向く第1趾を指す名前です。三前趾足では、この1本が後ろ向きになります。ただし、後ろ向きの指が2本ある鳥では、後ろの指をすべて第1趾と考えることはできません。番号は、指の向きを変えても入れ替わらないからです。

| 名前・読み方 | どこ?/覚える手がかり |
|---|---|
| 踵(かかと)・足首 | 脚の途中で後ろへ曲がって見える関節。鳥のひざと間違えやすい場所です。 |
| 膝(ひざ)・腿(もも) | 足首よりも体寄りにあります。ふつうの立ち姿では、羽毛に隠れてひざが見えにくい鳥が多くいます。 |
| 後趾(こうし) | 後ろ向きの指。三前趾足では第1趾にあたります。 |
| 爪(つめ) | 趾の先端に付く硬い部分。指を使ってつかむときなどに役立ちます。 |
| 距(けづめ) | キジの雄などで、跗蹠の後ろ側にある突起。足指の先にある爪とは別の場所にあります。 |
足元で記録したいのは、跗蹠の長さや色、指の本数と向き、爪の形、膜の有無です。一本の「足」としてまとめず、どの部分の特徴なのかまで言えると、観察メモが具体的になります。
07 / 足指の配置前に何本、後ろに何本?
足の形を比べるときは、まず指の向きを見ます。多くの鳥では、片足に4本の趾があります。親指にあたる第1趾、そして第2・第3・第4趾という番号を使うと、向きが変わっても、どの指なのかを追えます。

| 名前・読み方 | 形・見分ける手がかり |
|---|---|
| 三前趾足(正足) さんぜんしそく/せいそく | 前に3本、後ろに1本。前は第2・第3・第4趾、後ろは第1趾。スズメやハトなど、身近な鳥で見られる配置です。 |
| 対趾足 たいしそく | 前に2本、後ろに2本。前は第2・第3趾、後ろは第1・第4趾。多くのキツツキやインコの仲間などに見られます。 |
| 合趾足 ごうしそく | 前向きの指の一部が、つけ根側でつながる形。カワセミやサイチョウの仲間など。向きの本数だけでなく、指の間のつながりを見ます。 |
| 皆前趾足 かいぜんしそく | 4本の指が前を向く配置。アマツバメ類の一部で説明される形です。どのアマツバメも常に同じ配置、という覚え方は避けましょう。 |
可変対趾足は、外側の指を動かせる
可変対趾足(かへんたいしそく)は、フクロウの仲間などに見られ、外側の第4趾を前後に向けられます。前2本・後ろ2本にも、前3本・後ろ1本にもなるので、1枚の写真だけを見ると、別の型に見えることがあります。
また、後ろ向きの第1趾がなく、前向きの3本だけを持つ鳥や、指の数がさらに少ない鳥もいます。この記事の4種類だけで、すべての鳥の足を分けられるわけではありません。
参考:神戸市立王子動物園「サマースクールのためのテキスト2」指のかたち / 京都市動物園「鳥の足指は何本?」 / よこはま動物園ズーラシア「鳥の足をみてみよう」 / 鳥類学教材 Bird Feet(指の配置と水かき)
08 / 水かき指をつなぐ膜と、指ごとのひれ
次に見るのは、指と指の間の膜です。指の配置と水かきの形は、別々の見方です。たとえば、カモの足は「前3本・後ろ1本」という配置で、前の3本の指が水かきでつながっています。

| 名前・読み方 | 形・見分ける手がかり |
|---|---|
| 蹼足 ぼくそく | 前向きの3本の指の間を、水かきがつなぎます。カモやカモメの仲間など。第1趾は膜の外にあります。 |
| 全蹼足 ぜんぼくそく | 第1趾を含めた、4本すべての間が膜でつながります。ウやペリカンの仲間など。蹼足と迷ったら、第1趾まで膜が続くかを見ます。 |
| 半蹼足 はんぼくそく | 指のつけ根寄りに、小さな水かきがあります。シギ・チドリ類の一部など。指の先まで大きな膜が広がる形とは区別します。 |
| 弁足 べんそく | 指一本ずつの両側に、葉のようなひれが付きます。オオバンやカイツブリの仲間など。指どうしを、大きな一枚の膜でつないでいる形ではありません。 |
図は比較のために同じ向き・同じ大きさにそろえています。種類によって、膜の広さ、指の長さ、ひれの形は異なります。泳ぐ鳥に、必ず大きな水かきがあるわけでもありません。
参考:神戸市立王子動物園「サマースクールのためのテキスト2」指のかたち / 鳥類学教材 Bird Feet(指の配置と水かき) / 京都市動物園「鳥の足指は何本?」
09 / 尾の形尾の先は、へこむ? 出っ張る?
尾の形は、中央と外側の尾羽の長さの違いによって変わります。次の図は、尾を上から見たときの輪郭を整理した模式図です。長いか短いかだけでなく、尾の先端の線を見比べてみましょう。

| 名前・読み方 | 形・見分ける手がかり |
|---|---|
| 燕尾 えんび | 中央が深く切れ込む、二股の形。ツバメの尾を思い浮かべると、形を結びつけやすくなります。 |
| 凹尾 おうび | 中央が浅くへこむ形。燕尾ほど深い切れ込みではありません。中央より、外側の尾羽が長い側です。 |
| 凸尾 とつび | 中央が長く、外側ほど段階的に短くなる形。尾羽ごとの長さの差に注目します。図は中央と外側の長さの差を強調しています。 |
| 円尾 えんび/丸尾(まるび) | 尾の先端が、なめらかな丸みを描く形。凸尾と同じく中央寄りが長くても、外側との長さの差や輪郭の印象が違います。 |
| 角尾 かくび | 尾の先が、おおむねまっすぐにそろう形。中央が大きくへこんだり、突き出したりしない輪郭です。 |
| くさび尾(楔尾) くさびお | 中央へ向かって、くさび状に尖る形。凸尾のように中央が長い形のうち、特に先が尖った輪郭として説明されます。 |
閉じた尾と、広げた尾では見え方が変わる
尾を細く閉じているときには、外側の尾羽が重なって隠れます。開いたときだけ浅いへこみや丸みがわかることもあります。羽の擦れや抜けでも輪郭は変わるので、一瞬の形だけで、種や尾型を決めつけないことが大切です。
尾型の呼び分けや中間的な形の扱いは、資料によって幅があります。図は代表的な輪郭の比較であり、すべての尾を厳密に6つへ分類するための境界図ではありません。
参考:学研キッズネット「尾羽」 / 図鑑.jp・山階鳥類研究所の専門家回答「コヨシキリ」 / 野鳥王国「尾の形」分類の補助資料
10 / 長さの言葉全長と翼開長も、部位名から読める
部位の場所がわかると、図鑑の大きさの説明も読みやすくなります。どの場所から、どの場所までを測っているのかを確認しましょう。
| 名前・読み方 | どこ?/覚える手がかり |
|---|---|
| 全長(ぜんちょう) | くちばしの先から尾羽の先まで。体をまっすぐにした状態での長さです。長い尾やくちばしも含みます。 |
| 翼開長(よくかいちょう) | 左右の翼を広げたときの、片方の翼の先から反対側の翼の先まで。 |
| 翼長(よくちょう) | たたんだ片方の翼で、手首にあたる翼角から、風切の先端までの長さ。翼開長とは違います。 |
| 尾長(びちょう) | 尾羽のつけ根から先端まで。全長に含まれる、尾の長さです。 |
| 跗蹠長(ふしょちょう) | 足首から足指のつけ根まで。指の長さは含めません。 |
同じ全長の鳥でも、尾が長い鳥と短い鳥では、胴体の大きさが違うことがあります。数値ひとつではなく、体と尾の割合、翼やくちばしの形も一緒に見てみましょう。
11 / 覚え方「名前 → 場所 → 比べる相手」で覚えよう
ひとつの言葉だけを覚えるよりも、「何と区別するか」を一緒にすると、位置がはっきりします。迷いやすい組み合わせを、ここでおさらいしましょう。
| 比べて覚える | 見分ける手がかり |
|---|---|
| 眉斑 ↔ 過眼線 | 目の上か、目を通るか。 |
| 胸 ↔ 腹 | 前側の上寄りか、そこから続く下寄りか。 |
| 初列 ↔ 次列 | 翼の先端寄りか、それより体寄りか。 |
| 風切 ↔ 雨覆 | 翼の後縁に並ぶ長い羽か、つけ根を覆う羽か。 |
| 尾羽 ↔ 尾筒 | 後ろへ伸びる羽か、つけ根を覆う羽か。 |
| 跗蹠 ↔ 趾 | 足首から指までの部分か、指そのものか。 |
短い説明から、場所を思い浮かべてみよう
これは架空の小鳥を説明する練習文です。太字の言葉が出てきたら、指で図の場所を示してみましょう。
白い眉斑があり、黒い過眼線が目を通る。
胸には斑点があり、腹は淡い色。
下尾筒は白く、尾羽は茶色。
見てほしい場所を確かめる
眉斑は目の上、過眼線は目を通る線。胸は前側の上寄り、腹はその下。下尾筒は尾のつけ根の下側を覆う羽で、尾羽はそこから後ろへ伸びる羽です。「白い部分がある」から、「どこが白いのか」まで伝えられるようになるのが、部位名を知るよさです。

- 顔:目の上・目を通る線・目のまわりを探す。
- 体:喉から胸、腹へ。背から腰、尾へ。
- 翼:先の初列、内側の次列、つけ根を覆う雨覆。
- 尾と足:尾筒は尾のつけ根。跗蹠は足首から指まで。
鳥検定の勉強では、この順番で確認しよう
- 読み方を言う。「跗蹠=ふしょ」「小翼羽=しょうよくう」のように、漢字と音をつなぐ。
- 図の場所を指す。文字を隠して、同じ場所を指せるか確かめる。
- 似た言葉と比べる。虹彩とアイリング、初列風切と初列雨覆、尾羽と尾筒を区別する。
- 短い観察文にする。「白い眉斑があり、翼帯は2本」のように、部位と模様を組み合わせて説明する。
今日は顔、次は翼というように、分けて進めても大丈夫です。用語が増えてきたら、最初の全身図に戻って「今は体のどの場所の話か」を確かめましょう。
参考資料・図の見方
ご提供の参考画像は、説明の細かさと扱う項目を確認するために使用しました。文章と図の配置は新たに作成し、部位・足指・尾型の説明は下記の公開資料と照合しています。
- 千曲市「動物の各部名称や測定部位・鳥類」301ページ
- 環境省 鳥類標識マニュアル「鳥体各部の名称」
- BIRDER「第1回 鳥体各部の名称」
- 国営讃岐まんのう公園「観察力を高めるために」
- 京都市動物園「野鳥を測定」
- 鳥検定 公式サイト
- 環境省「ワシントン条約附属書掲載オウム類の識別マニュアル」各部名称
- 野毛山動物園「ハヤブサのハヤミです。」虹彩と瞳孔の説明
- 神戸市立王子動物園「サマースクールのためのテキスト2」指のかたち
- 京都市動物園「鳥の足指は何本?」
- よこはま動物園ズーラシア「鳥の足をみてみよう」
- 鳥類学教材 Bird Feet(指の配置と水かき)
- 日本野鳥の会埼玉「北本自然観察公園の『変なキジ』続編」
- 学研キッズネット「尾羽」
- 図鑑.jp・山階鳥類研究所の専門家回答「コヨシキリ」
- 日本野鳥の会大阪支部「鳥の形態を学ぶ」
- 国立科学博物館 自然教育園報告40「キマユムシクイの記録」
- 野鳥王国「尾の形」分類の補助資料
キャラクター:ご提供のオチュン。手書き風の挿絵は画像生成ツールで作成しました。頭部は顔・目・くちばしを、翼は各部の羽と翼帯を1枚にまとめ、足指・水かき・尾型もそれぞれ一覧図に整理しています。図の配色、羽の枚数、関節や膜の形は学習用に簡略化しています。尾型の中間的な形や、一部の部位の呼び分けには資料による違いがあります。クイズは公式問題・過去問ではなく、この記事に合わせた独自問題です。確認日:2026年11月1日。頭側線の追加・確認:2026年11月2日。
最後に / 復習クイズオチュンの部位クイズ、20問に挑戦!
選択肢をひとつクリックすると、正解と解説が表示されます。最初に選んだ答えで採点します。1〜10問は基本の部位、11〜20問は今回加えた細部や形の復習です。途中で本文の図に戻って確かめても大丈夫です。
0 / 20 問正解
各選択肢を開くと、正解と解説を確認できます。
QUESTION 01 / 20鳥の目の上にある、眉のような帯状の模様は?
眉斑は目の上にある模様。過眼線は目を通る線、アイリングは目のすぐまわりの輪です。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 02 / 20「過眼線」は、顔のどこを通る模様?
「過・眼・線」と分けて、眼を通過する線と覚えましょう。色だけでなく、目との位置関係が手がかりです。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 03 / 20目とくちばしのつけ根の間を、何と呼ぶ?
眼先は、目とくちばしのつけ根の間にある小さな場所。後頭は頭の後ろ、腰は体の後ろ側です。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 04 / 20「腹」は、体のどのあたり?
体の前側を上からたどると、喉、胸、腹と続きます。脇は体の横側です。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 05 / 20くちばしの上側を表す名前は?
上嘴は上のくちばし、下嘴は下のくちばし。鼻孔は鼻の穴です。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 06 / 20広げた翼の、外側・先端寄りにある風切は?
初列風切は外側の翼の先端寄り。次列はそれより内側、三列はさらに体に近い側にあります。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 07 / 20「雨覆」は、主に何を覆う羽?
雨覆は、長い風切のつけ根に重なる羽です。翼の上面だけでなく、下面にもあります。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 08 / 20尾羽のつけ根を、下側から覆う羽は?
下尾筒は尾羽のつけ根の下側を覆う羽。上側なら上尾筒。長く伸びる尾羽そのものとは区別します。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 09 / 20「跗蹠(ふしょ)」は、どこからどこまで?
跗蹠は足首から足指のつけ根までで、人間の足の甲にあたる部分です。細長くても、すねとは区別して覚えましょう。
本文の図で確かめる ↑A. くちばしから目まで
おしい! 正解は「足首から足指のつけ根まで」です。 跗蹠は足首から足指のつけ根までで、人間の足の甲にあたる部分です。細長くても、すねとは区別して覚えましょう。
B. 翼のつけ根から先端まで
おしい! 正解は「足首から足指のつけ根まで」です。 跗蹠は足首から足指のつけ根までで、人間の足の甲にあたる部分です。細長くても、すねとは区別して覚えましょう。
QUESTION 10 / 20「趾」は、鳥のどの部分を指す言葉?
趾は足の指のこと。「対趾足」などの用語では「し」と読みます。跗蹠と趾を別々に指してみると、位置が整理できます。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 11 / 20目の中央で黒く見え、その周りを虹彩が囲んでいるのは?
瞳孔は光を取り入れる中央の穴。虹彩はその周りの色のついた部分、アイリングは目の外周の輪です。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 12 / 20下嘴のつけ根付近から、頬の下側へ続く線状の模様は?
顎線は口もとから頬の下側へ続く模様。過眼線より下にあり、目そのものを通る線ではありません。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 13 / 20初列風切のつけ根を覆う、短い羽は?
初列雨覆は初列風切のつけ根に重なる羽です。初列風切はその下から外側へ伸びる長い羽なので、二つを区別しましょう。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 14 / 20翼の前縁、手首のあたりの第1指に付く小さな羽のまとまりは?
小翼羽は親指にあたる第1指に付く羽のまとまり。肩羽は背から翼のつけ根にかぶさる羽で、場所が違います。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 15 / 20「翼帯」は、どのようなもの?
翼帯は模様の名前です。雨覆の淡色の羽先が並んで帯に見える例があります。雨覆という羽のグループそのものとは区別します。
本文の図で確かめる ↑A. 脚にある硬い突起
おしい! 正解は「翼に帯のように見える模様」です。 翼帯は模様の名前です。雨覆の淡色の羽先が並んで帯に見える例があります。雨覆という羽のグループそのものとは区別します。
B. 長い尾羽の総称
おしい! 正解は「翼に帯のように見える模様」です。 翼帯は模様の名前です。雨覆の淡色の羽先が並んで帯に見える例があります。雨覆という羽のグループそのものとは区別します。
QUESTION 16 / 20一般的な三前趾足で、後ろを向いているのは何番の指?
三前趾足では前が第2・第3・第4趾、後ろが第1趾です。向きが変わっても、指番号自体は入れ替わりません。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 17 / 20蹼足と全蹼足を区別するポイントは?
蹼足は前の3本の間に膜があり、全蹼足は第1趾を含む4本がつながります。まず膜がつなぐ指を確認しましょう。
本文の図で確かめる ↑A. 足の色が赤いかどうか
おしい! 正解は「第1趾まで膜でつながるか」です。 蹼足は前の3本の間に膜があり、全蹼足は第1趾を含む4本がつながります。まず膜がつなぐ指を確認しましょう。
C. 爪が曲がっているか
おしい! 正解は「第1趾まで膜でつながるか」です。 蹼足は前の3本の間に膜があり、全蹼足は第1趾を含む4本がつながります。まず膜がつなぐ指を確認しましょう。
QUESTION 18 / 20指一本ずつの両側に、葉のようなひれが付くのは?
弁足は各指にひれが付く形。指どうしの間を大きな一枚の膜でつなぐ蹼足・全蹼足とは違います。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 19 / 20同じ「えんび」という読み方でも、先が丸い尾型の漢字は?
円尾は先が丸い形。燕尾も読みは「えんび」ですが、深く切れ込んだ二股の尾です。音だけでなく形と漢字をセットにしましょう。
本文の図で確かめる ↑QUESTION 20 / 20左右の翼を広げ、片方の先から反対側の先まで測る長さは?
翼開長は広げた両翼の先から先まで。翼長はたたんだ片翼の長さ、尾長は尾羽のつけ根から先までです。
本文の図で確かめる ↑名前をひとつ覚えたら、図のその場所を指してみよう。
顔から足先まで、次に出会う鳥が少し詳しく見えてくるはずです。
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