湿度100%なら水蒸気の量は同じ? オチュンと学ぶ湿度と露点

オチュンと学ぶ湿度と露点。冷たいコップ、温度計、湿度計を描いた記事の表紙

朝の天気予報で「湿度100%」と聞くと、空気が水でいっぱいになったように感じませんか。でも、冬の冷たい空気と、夏の暖かい空気。同じ100%でも、含まれる水蒸気の量は違います。

手がかりは、相対湿度は、その気温でどれくらい飽和に近いかを表す数字だということ。そして、露点は、冷やすと飽和に達する温度だということです。

オチュンと一緒に、湿度の「%」と露点の「℃」を読み分けてみましょう。冷たいコップにつく水滴から、霧や雲の入り口まで、身近な景色がつながります。

10℃と30℃では同じ湿度100%でも水蒸気の量が違うことを、オチュンと青い点で比べる図
図1 同じ体積で比べると、30℃で飽和した空気のほうが、10℃で飽和した空気より水蒸気を多く含みます。青い点は、実際には見えない水蒸気を表す記号です。点の個数は厳密な分子数を表していません。
目次

湿度100%は空気の全部が水という意味ではない

天気予報でいう湿度は、ふつう相対湿度(そうたいしつど)のことです。その気温で水蒸気が飽和する状態を100%として、現在の状態を比べています。

飽和(ほうわ)とは、水蒸気が水面に対してつり合う状態に達すること。冷却によってそこへ近づき、さらに冷えると、水蒸気の一部が水滴になりやすくなります。

100%になっても、空気の中の窒素や酸素がなくなるわけではありません。「空気の成分の100%が水蒸気」という意味ではないのです。

また、気体の水蒸気そのものは透明で、目には見えません。白い霧や雲として見えるのは、小さな水滴や氷の粒です。図の中の青い点は、見えないものを考えるための目印にしています。

オチュン
100%は、何と比べた数字なのかな? そこを確かめるのが最初の一歩だね!

相対湿度は今の水蒸気圧と飽和水蒸気圧の比

試験の勉強につなげるため、少しだけ「圧力」で考えてみましょう。

空気全体の圧力のうち、水蒸気が受け持つ分を水蒸気圧といいます。単位はhPa(ヘクトパスカル)です。

では、「水面に対して飽和」とは、どういうことでしょう。水を少し入れて、ふたをした透明な箱を想像してみてください。水と箱の中の空気は同じ温度に保ち、水が全部なくならない場合を考えます。

水面では、水の分子が空中へ飛び出して水蒸気になる蒸発と、水蒸気の分子が水面に戻って液体になる凝結が、同時に起きています。

ふたをした箱の中で、水面から出る蒸発と戻る凝結がつり合うまでを、オチュンと二つの場面で比べる図
補足図 温度を一定にした、ふたのある箱の模式図です。矢印は同じ時間に出入りする量の違いを表し、青い丸は実際には見えない水蒸気の分子の目印です。水の量や丸の個数は、実際の縮尺ではありません。

はじめに水蒸気が少なければ、水面から出ていくほうが多く、箱の中の水蒸気が増えます。水蒸気が増えると、水面へ戻る分子も増えていきます。

やがて、同じ時間に出ていく量と戻ってくる量が等しくなり、水蒸気の量が全体として変わらなくなります。このつり合いが「水面に対して飽和した状態」です。そのときの水蒸気圧が、飽和水蒸気圧です。

飽和しても、水の出入りが止まるわけではありません。 出る量と戻る量が同じなので、全体として増えも減りもしないのです。

天気の話では、このつり合いの値を基準にして、空気の状態を比べます。「水面に対して」といっても、空の中に本物の水面が必要、という意味ではありません。

相対湿度は、次の式で求められます。

相対湿度(%)= 水蒸気圧 ÷ その気温の飽和水蒸気圧 × 100

たとえば、気温20℃の飽和水蒸気圧を23.4hPa、現在の水蒸気圧を11.7hPaとすると、11.7÷23.4×100=50%。現在の水蒸気圧が、飽和の値の半分ということです。

20℃で現在の水蒸気圧11.7hPaと飽和水蒸気圧23.4hPaを比べ、相対湿度50%を求めるオチュンの図
図2 棒は水蒸気圧を比べるための目盛りです。空気の半分が水になることや、容器の中に液体がたまっていることを表していません。数値は学習用に丸めています。

大切なのは、気温が高いほど、飽和水蒸気圧は大きくなることです。水蒸気圧が同じでも、比べる相手が変われば、相対湿度は変わります。

10℃と30℃の空気をどちらも湿度100%にした場合、1m³に含まれる水蒸気の質量は、それぞれ約9.4gと約30.3g。同じ100%でも、量は同じではありません。ここで比べているのは、同じ体積に含まれる水蒸気です。

試験へもう一歩 水蒸気量という言葉の読み方

水蒸気の多さには、1m³あたりの質量で表す「水蒸気密度」、乾いた空気の質量に対する比で表す「混合比」など、複数の表し方があります。水蒸気圧も、その状態を表す一つの量です。「水蒸気量が一定」という説明を計算に使うときは、何を一定にしているかを確かめましょう。この記事の冷却の例では、水蒸気圧を一定にしています。

水蒸気を増やさなくても冷やすと湿度が上がる

今度は、水蒸気圧を約12.3hPaに保ちながら、空気を20℃から冷やす例です。途中では水蒸気を加えず、飽和に達するまで凝結も起きないと考えます。

気温が下がると、式の分母にある飽和水蒸気圧が小さくなります。その結果、相対湿度は高くなっていきます。

水蒸気圧を変えずに20℃から15℃、10℃へ冷やすと、湿度が約53%、約72%、100%へ上がる図
図3 水蒸気圧を一定にした冷却の例です。水面に対する飽和水蒸気圧を使い、相対湿度を整数に丸めています。途中で空気が混ざったり、水が蒸発したりする影響は含めていません。
気温飽和水蒸気圧の目安現在の水蒸気圧相対湿度
20℃約23.4hPa約12.3hPa約53%
15℃約17.0hPa約12.3hPa約72%
10℃約12.3hPa約12.3hPa100%

湿度が上がったからといって、水蒸気が増えたとは限りません。 この例では、気温が下がって飽和に近づいたために、湿度が上がりました。

夜から朝にかけて気温が下がり、湿度が高くなることも、この考え方で理解できます。実際の屋外では、風による空気の入れ替わりや、地面からの蒸発も一緒に起きています。

露点は冷やすと飽和に達する温度

図3では、10℃に達したところで相対湿度が100%になりました。この空気の露点温度(ろてんおんど)は、10℃です。「露点」と短く呼ぶこともあります。

気象庁の定義では、露点温度は、水蒸気圧を一定にして温度を下げたとき、相対湿度が100%になる温度です。

現在の気温と露点は、同じ数字とは限りません。図3の出発時は「気温20℃・露点10℃」。そこから冷やしている間も、水蒸気圧を変えなければ、飽和に達するまでは露点10℃のままです。

さらに冷やして凝結が進むと、水蒸気の一部が水滴へ変わります。ここから先まで、水蒸気圧も露点もずっと同じ、と考えないようにしましょう。

オチュン
気温は今の温度。露点は、冷やしたら飽和する温度。見ているものが違うんだね!

コップの水滴はまわりの空気からやってくる

冷たい飲み物を入れたコップの外側に、水滴がついたことはありませんか。コップに穴が開いていなくても、外側はぬれます。

たとえば、部屋の気温が20℃、露点が10℃で、コップの表面が8℃になったとします。コップのすぐそばの空気は、冷たい表面に触れて冷やされ、水蒸気が外側の表面で凝結(ぎょうけつ)します。こうして水滴がつく現象が、結露です。

気温20℃、露点10℃の部屋で、表面8℃のコップの外側にまわりの水蒸気が凝結することを観察するオチュンの図
図4 気温・露点・表面温度は、仕組みを説明するために設定した例です。水滴の材料は周囲の空気に含まれる水蒸気。飲み物がガラスを通り抜けたわけではありません。

ここで注目するのは、部屋全体の気温と、コップの表面温度は違うことです。部屋の湿度が100%でなくても、表面付近が十分に冷えれば、結露は起きます。

草や葉に露がつく場合も、表面が冷えることが大切です。冷却の仕方や氷のでき方は、霜を学ぶときにもつながります。

気温と露点の差で飽和までの近さを見る

天気の資料に気温と露点が並んでいたら、まず気温−露点温度を計算してみましょう。この差は、露点温度差とも呼ばれます。

同じ気温25℃で、露点が20℃の空気と、5℃の空気を比べてみます。差はそれぞれ5℃と20℃です。

どちらも気温25℃の空気で、露点20℃なら差5℃、露点5℃なら差20℃になることを比べる図
図5 同じ気温で比較すると、露点との差が小さい左側のほうが、相対湿度は高く、飽和に近い状態です。目盛りの間隔と青い点の個数は模式的に描いています。温度差だけで、雨の有無や霧の発生が決まるわけではありません。

左の空気は、気圧と水蒸気の割合を変えずに冷やすなら、5℃の冷却で飽和に達します。右は20℃の冷却が必要です。同じ気温なら、露点が高いほうが、水蒸気圧も高くなります。

ただし、違う気温の空気同士では、差が同じでも、相対湿度がぴったり同じになるとは限りません。露点そのものの値も見ながら、何を比べているかを確かめましょう。

試験へもう一歩 上昇する空気では露点も変わる

ここまでの冷却は、水蒸気圧を一定とした例です。空気塊を上へ持ち上げる場合は、周囲の気圧が下がり、未飽和の空気塊の露点も下がります。出発時の露点を固定して、雲のできる高さを計算しないようにしましょう。持ち上げた空気の気温と、その高さでの露点が一致するところが、持ち上げ凝結高度を考える目安です。

露と霧と雨は水滴のある場所と成長が違う

水蒸気が凝結してできた水滴でも、どこにあるかで、見え方は変わります。

葉やコップなどの表面につく水滴が露や結露。地面の近くの空中に小さな水滴が浮かび、見通しが悪くなるものが霧です。雲も、水滴や氷の粒が空中に集まったものです。

表面につく露、空中に浮かぶ霧、成長して落ちる雨を別々の場面として描き、湿度100%が必ず雨を意味するわけではないことを示す図
図6 露・霧・雨は、それぞれの特徴を比べた図です。左から順に変化するという意味ではありません。ここでは水滴を中心に説明しています。

湿度100%は、その場所の空気が飽和しているという情報です。必ず雨が降るという予告ではありません。 雨になるには、雲の中で粒が成長して落下し、地上まで届く過程も必要です。地上の湿度だけを見て、上空の雲や雨まで決めることはできません。

一方、地上の湿度が100%になる前に、上空の雲から雨が降ってくることもあります。「雨が降っているから、地上の湿度は必ず100%」という判断も避けましょう。

確認クイズ8問で数字の意味を確かめよう

選択肢を押すと、正誤と解説が表示されます。計算問題では、ここに書かれた学習用の数値を使ってください。すべてオリジナル問題です。

第1問 相対湿度100%は何を意味する?

× 不正解です。

正解:2。その気温で、水面に対して水蒸気が飽和している。 100%は飽和との比です。空気の成分が全部水蒸気になることや、水蒸気の質量が100gになることを表しません。

○ 正解です。

正解:2。その気温で、水面に対して水蒸気が飽和している。 100%は飽和との比です。空気の成分が全部水蒸気になることや、水蒸気の質量が100gになることを表しません。

× 不正解です。

正解:2。その気温で、水面に対して水蒸気が飽和している。 100%は飽和との比です。空気の成分が全部水蒸気になることや、水蒸気の質量が100gになることを表しません。

第2問 水蒸気圧11.7hPa、飽和水蒸気圧23.4hPaなら、相対湿度は?

○ 正解です。

正解:1。50%。 相対湿度は11.7÷23.4×100=50%です。今の水蒸気圧を、その気温の飽和水蒸気圧で割ります。分子と分母を逆にしないようにしましょう。

× 不正解です。

正解:1。50%。 相対湿度は11.7÷23.4×100=50%です。今の水蒸気圧を、その気温の飽和水蒸気圧で割ります。分子と分母を逆にしないようにしましょう。

× 不正解です。

正解:1。50%。 相対湿度は11.7÷23.4×100=50%です。今の水蒸気圧を、その気温の飽和水蒸気圧で割ります。分子と分母を逆にしないようにしましょう。

第3問 水蒸気圧を変えず、未飽和の空気を飽和するまで冷やすと?

○ 正解です。

正解:1。相対湿度が上がる。 気温が下がると、飽和水蒸気圧が小さくなります。同じ水蒸気圧でも飽和との比が大きくなるので、水蒸気を加えなくても湿度は上がります。

× 不正解です。

正解:1。相対湿度が上がる。 気温が下がると、飽和水蒸気圧が小さくなります。同じ水蒸気圧でも飽和との比が大きくなるので、水蒸気を加えなくても湿度は上がります。

× 不正解です。

正解:1。相対湿度が上がる。 気温が下がると、飽和水蒸気圧が小さくなります。同じ水蒸気圧でも飽和との比が大きくなるので、水蒸気を加えなくても湿度は上がります。

第4問 気温20℃の空気を水蒸気圧一定で冷やし、10℃で飽和した。露点は?

× 不正解です。

正解:2。10℃。 露点は、冷却によって飽和に達する温度です。気温との差や、湿度の百分率ではありません。露点には℃の単位を使います。

○ 正解です。

正解:2。10℃。 露点は、冷却によって飽和に達する温度です。気温との差や、湿度の百分率ではありません。露点には℃の単位を使います。

× 不正解です。

正解:2。10℃。 露点は、冷却によって飽和に達する温度です。気温との差や、湿度の百分率ではありません。露点には℃の単位を使います。

第5問 部屋の相対湿度が100%より低いと、コップの外側に結露は起きない?

× 不正解です。

正解:2。起きることがある。 部屋全体の気温と、コップの表面温度は同じとは限りません。表面が周囲の空気の露点より低くなると、その近くの水蒸気が凝結して水滴がつきます。

○ 正解です。

正解:2。起きることがある。 部屋全体の気温と、コップの表面温度は同じとは限りません。表面が周囲の空気の露点より低くなると、その近くの水蒸気が凝結して水滴がつきます。

× 不正解です。

正解:2。起きることがある。 部屋全体の気温と、コップの表面温度は同じとは限りません。表面が周囲の空気の露点より低くなると、その近くの水蒸気が凝結して水滴がつきます。

第6問 どちらも気温25℃。露点20℃のAと、露点5℃のBでは、どちらが飽和に近い?

○ 正解です。

正解:1。A。 気温と露点の差はAが5℃、Bが20℃です。同じ気温なら、露点との差が小さいAのほうが相対湿度が高く、飽和に近い状態です。

× 不正解です。

正解:1。A。 気温と露点の差はAが5℃、Bが20℃です。同じ気温なら、露点との差が小さいAのほうが相対湿度が高く、飽和に近い状態です。

× 不正解です。

正解:1。A。 気温と露点の差はAが5℃、Bが20℃です。同じ気温なら、露点との差が小さいAのほうが相対湿度が高く、飽和に近い状態です。

第7問 10℃と30℃の空気がどちらも湿度100%。同じ体積に含まれる水蒸気は?

× 不正解です。

正解:3。30℃のほうが多い。 1m³あたりの飽和水蒸気の質量は、10℃で約9.4g、30℃で約30.3gです。同じ100%でも、比較する気温が違えば、水蒸気の量は同じになりません。

× 不正解です。

正解:3。30℃のほうが多い。 1m³あたりの飽和水蒸気の質量は、10℃で約9.4g、30℃で約30.3gです。同じ100%でも、比較する気温が違えば、水蒸気の量は同じになりません。

○ 正解です。

正解:3。30℃のほうが多い。 1m³あたりの飽和水蒸気の質量は、10℃で約9.4g、30℃で約30.3gです。同じ100%でも、比較する気温が違えば、水蒸気の量は同じになりません。

第8問 地上の相対湿度が100%なら、必ず雨が降る?

× 不正解です。

正解:2。必ず降るとはいえない。 飽和していることと、雲の粒が雨粒へ成長して地上まで落ちることは、分けて考えます。霧が出ていても雨が降らないことがあるのは、その身近な例です。

○ 正解です。

正解:2。必ず降るとはいえない。 飽和していることと、雲の粒が雨粒へ成長して地上まで落ちることは、分けて考えます。霧が出ていても雨が降らないことがあるのは、その身近な例です。

× 不正解です。

正解:2。必ず降るとはいえない。 飽和していることと、雲の粒が雨粒へ成長して地上まで落ちることは、分けて考えます。霧が出ていても雨が降らないことがあるのは、その身近な例です。

気温と湿度を見たら露点も思い浮かべよう

湿度は、その気温での飽和との比。露点は、冷やすと飽和に達する温度。この二つを読み分けると、%の数字だけではわからなかった空気の様子が見えてきます。

次に冷たいコップに水滴がついたら、「今、コップのすぐそばでは、空気が露点まで冷やされているのかな」と考えてみてください。小さな水滴は、見えない水蒸気を知る手がかりになります。

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出典と参考資料

数値例は仕組みを説明するための設定で、実際の日の観測値ではありません。図とクイズは本記事のために制作したものです。

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この記事を書いた人

オチュン社長の付き人

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